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親作品(0)

「黒のチョーカー(絵師、動画師募集)」の創作に利用した作品

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C
「アナタハ覚エテイマスカ?」
この黒いチョーカーの下
思い出してその瞳見開く度
私の心少しだけ…なるの…
A
出会った頃の君は
何もかもが不器用で
本読むふりしながら
いつも気に止めていた...

黒のチョーカー(絵師、動画師募集)

紅季(紅季煉獄)

紅季(紅季煉獄)

ふとした瞬間、彼女は少女に恋をした。
それは運命の悪戯か、故意的な気紛れなのかはわからないーー。

「貴女は覚えていますか?」
今ではもう音を紡がぬその声で、唇だけがその音の形を模造する。
己の首筋に携えられた一つのチョーカー。
そこへ微かに触れながら、彼女は問う。
追懐に想いを馳せながら、かつて愛した1人の少女に。

出会い、幸せな時間、共に過ごした穏やかな日々。
様々な思い出が脳裏をよぎる。
…どこから狂いはじめてしまったのか、彼女には解らぬまま。

ほんの小さな誤解だった、それを知らぬまま…彼女は少女より暫くの距離をおいた。
その綻びはやがて解けない大きな蟠りへと変貌を遂げる。

身を退けてから、幾日経ったのか。
ふとした瞬間、彼女は少女と出会う。
走り寄るのは少女。
久々の邂逅からか、彼女の口許は仄かに綻んで。
そんな中、不意に振り上げられた腕。
携えられた一つのナイフは、彼女の記憶の一部と声を奪い、そして首筋に傷と言う名の刻印を刻みつけた。

それは夕方、もう日が沈む頃の話。

暫くの時が流れて、彼女が少女に会ったのは病室でのこと。
首筋には包帯、そして彼女の傍らに腰掛ける少女の嗚咽は、その病室を軋ませる。
彼女の瞳に、もう少女は映らない。
少女の瞳に映ったのは、何も紡がず唇を噛み締めた、もう少女の知らない彼女だったという。

首筋に携えられた黒いチョーカー。
その下に残る傷痕。
時折、少女は彼女に会いにくるのだという。チョーカーを目にする度、眉間を寄せて。
少女のそんな姿をみる度、そして彼女は静かに…人知れず微笑む。
唇を緩やかに動かして、無音のまま。





9/15更新。
少しばかりの狂気を含んだ作品を作ってみたかったのです。

補足↓
彼女=ルカ
少女=ミク