毒蝶の杯

満たした愛が　零れてく
赤い月夜に　黒い雨
菫のリボン　髪を結う
照らすライトに　目を細め

ブラックダイア　閉じられた夢
環指に光る　プラチナリング
迷い惑うの　小さな貴方
私の　手の上で

どうぞ踊って　愛おしく　優しく
刃のないナイフで　刺し抜かれて
心臓（こころ）が流す　血の涙　虚しく
どんなに求めても　届かないの

雨の中を　歩いている
廻りながら　歌いながら
誰も来ない　冷えた体
薄く笑う　嘘を吐いて

聞こえないふり　その先を
突き放しては　手を伸ばす
解っているの　言わないで
造花のブーケ　踏みつける

踊り疲れて　遠くなる　輝き
刃のないナイフよ　これ以上は
傷つけないで　苦しくて　痛くて
愛してしまった　罰なのでしょう

どうぞ踊って　美しく　儚く
刃のないナイフで　刺し抜かれた
毒蝶の愛　辰砂の薔薇　隠して
悲恋を奏でた　独唱（ソロ）の音に