<Dear My Friends! 第2期 第40話 プロト・ルォ>

(2016年3月9日 ニホン国 トウキョウ アキバ 雑居ビル(以下、アキバ地下研究所)B2F)

 B2Fに降りた一行を待ち受けていたのは、試作ギアが2体、テイマー能力の試験型のマカが1体だった。

マカ:…ロックが不正に解除された場合や、エラーが発生した場合の管理用ギアと、私の試験体の一人、我々の世界で実用化される“ルォのテイマー能力”を宿した“私の同胞”だ

 正直、薄明かりの中で、対峙する二人のマカを眺めている仲間は心苦しかった。

ティエンイ:私に・・・私達に・・・マカ様を潰して先に進め・・・・・・と
チンシャン:正直、やりにくいが、やむを得ない。まだ救いは、“マージ以前のルォ”のテイマー能力しかない事だ

 マカは話を続けた。

マカ:我々のルォが、“ルォのテイマー能力”、を使いこなせなかったから、救いがあったのだ。この2体の試作ギア、“プロト・インストール”と、“プロト・ダウンロード”は、ここの関係者とカリマが把握して招いた客以外の不正侵入者を“殲滅する”ギアであり、それを操る“テイマー”が、プロト・ルォだ。“全力で相手をして勝つ”、これが唯一の戦術だ

 仲間全員が戦闘モードに変わった。だが、マカは最後に断り書きを残した。

マカ:ただし、私やティエンイが、ここにいなかった場合の戦術だ。安心してくれ

その話が終わった瞬間、B2Fの1室だけの室内に照明がともり、館内放送が流れた。

カリマ:全くどうやってあのロックを私の部屋以外全部解除したのか検討もつかんし、しかも開けたのが、マカそっくりだし、他はファンタジーRPGや世紀末に出てくるような連中だし、今日はどうなっているんだ!? コスプレ大会の紛れ込みとは思えんし…

マカ:未来から、引導を渡しに来た。首を洗って待ってろ、カリマ

カリマ:はぁ!? 未来からって…。映画の見過ぎだ! まぁ年齢認証するためC13-NMRスキャンで“時間”だけは確認するが、とりあえず、“プロト・ルォ”、“プロト・インストール”、“プロト・ダウンロード”! 仕事だ、起きろ!

 その声に3体が反応し、プロト・ルォは目を覚まし、ギアの2体からは、モーター駆動音が聞こえはじめた。

プロト・ルォ:マスター。ご指示を
カリマ:その、お前にそっくりな奴と、他のRPGな連中、全員不正侵入者だ。片付けろ
プロト・ルォ:Ready。“PI(プロト・インストール)”は、軽武装ターゲットに集中、“PD(プロト・ダウンロード)”は、重武装ターゲットと私の偽物を集中攻撃、各個撃破しろ
PI,PD:Ready

 マカは目つきが、“相手を破壊する目”、に変わった。こんな表情は、未来の世界でも見せたことは無かった。

マカ:プロト・ルォよ。お前の完成品を作ったのは、私だ。お前の“ルォのテイマー能力”、つまり、“2体に同時に命令を送り、連携させる”、は、未来のルォでは巧くいかなかったが、お前の“真の製作者”である私が、おまえに倒されるなど、考えてもいない。失せろ!!!!

 その声と同時に、PDに突っ込んでいったのがマカである。そしてマカ側以外の全員が、マカのギア能力“エディター”、に戦慄する事になる

PD:Attack

 マカはPDの腹部に手のひらを置き、そして、まるで呪文を唱えるように、テイマーとしてギアを発動させた!

マカ:編集者(エディター)の名において、お前を編集する!!!!

 その声と同時に、PDは機械音声の1つも出さずに、光の塊に変貌し、そして光は収束し、巨大な槍に変身した。その槍をマカが掴み取り、全体重をかけて振りかぶると、槍はPIの心臓部に、一直線に向かっていった。

マカ:編集し槍とした残りのエネルギーは、投擲の力に変化させた。だから私でも超人的な投擲が出来る

 ガスッ

 PIも声一つあげる暇も無く、急所を槍で貫かれ、破壊された。

プロト・ルォ:理解…不能…戦術…解析不能…
マカ:当たり前だ。この時代では完成出来なかったギア能力だ。次はお前だ。ティエンイ、“ニューファイル”で素材を送ってくれ
ティエンイ:了解。ギア能力“ニューファイル”発動! 素材転送!

 そのティエンイの声と同時に、破壊されたPI、PDが光の粒子に変化し、ティエンイの手のひらに集まり、そしてマカの両手のひらに流れていった。

マカ:プロト・ルォ。お前は“生態の個体”である対象故に、私のエディターでは編集できない。だから“複雑な物体に編集できる形になった素材”をニューファイルで集め、そして私の“エディター”で編集すれば、こういう物も作れる!

 ギューーーーーーーン!!!!!

 マカの説明が終わると、光の粒子は収束し、“ガトリングガン”、で落ち着いた。

プロト・ルォ:マスター、ご指示を…
マカ:カリマは非情だ。今頃、今の戦闘データを、解析出来ないのに必死になって解析しているだろう。では、さらばだ

 ガチャ!

プロト・ルォ:ご指示を…
マカ:・・・・・・そういう“指示待ち”の態度! 未来の世界までに消してこい!!!!!!

 ガガガガガガガガガガガ!!!!!!!!!

 全員目を背けた。プロト・ルォは、粉々に飛び散り、もう、前の彼と判別出来ない姿に変わった。

マカ:・・・・・全員、目線を合わせなくて良い、向かいの扉まで移動し、先に進むぞ
テル(二人のギア能力を合わせた能力は…私やアペンドの錬成術に…よく似ている…)

(続く)

CAST

イア:IA-ARIA ON THE PLANETES-
ルカ姫:巡音ルカ
魔導師アペンド:初音ミクAppend
魔導師テル:氷山キヨテル
僧侶リン:鏡音リン
勇者レン:鏡音レン

異国の剣士 神威学歩:神威がくぽ
裁判官 勇気めぐみ:GUMI

ヤマト国からの旅人三人組
瑞樹(ミズキ):VY1
勇馬(ゆうま):VY2
兎眠りおん(りおん):兎眠りおん

ミゥ:Mew

欲音ルコ(ルコ):欲音ルコ

唄音ウタ(デフォ子):唄音ウタ
桃音モモ(モモ):桃音モモ
雪歌ユフ(ユフ):雪歌ユフ

義 井具蔵(ヨシ イグゾウ)(イグゾウ):某演歌歌手

ゾラ・キョウ(キョウ)=生まれ変わったルォ:ZOLA PROJECT (KYO)

チンシャン:某女性中華ボカロ
マカ:某少年中華ボカロ
ティエンイ:某女性中華ボカロ(ルォの姉(こちらが本家“ルォ・ティエンイ”で、女性中華ボカロになります))

その他:エキストラの皆さん

ライセンス

  • 非営利目的に限ります
  • この作品を改変しないで下さい
  • 作者の氏名を表示して下さい

Dear My Friends! 第2期 第40話 プロト・ルォ

※ボカロ小説作品第16弾である、「Dear My Friends!第2期」の続きです。
☆第40話です。

※ナンバリング的には2期になります。
☆ピアプロとpixivの同時掲載をしてます。

※ボーカロイド小説です。が、ボカロのファン設定とかボカロの名前を変えると、オリジナルモノになります。なので、二次創作の二次は、ボカロの名前位です。

○今回も1話分を短めにした、ファンタジーRPG風味の長編です。現在もピアプロに続きを連載投稿しており、完結しておりません。
☆2期では、”イアさん”と”ルカ姫”のW主人公で行っていますが、シナリオによって、軸が変わっているところもありますので、そこら辺はご愛敬で…。

☆プロト・ルォ、プロト・インストール、プロト・ダウンロードの登場、そしてカリマの声…
☆そして、戦慄の、マカとティエンイのギア能力!

閲覧数:247

投稿日:2016/05/18 17:44:23

文字数:2,720文字

カテゴリ:小説

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