この話は小学生頃の話である。



「ナナちゃん!」
「ミクちゃん」

ミクが後ろから抱きつく。
いつもの事なので気にしないらしい。

「今日も一緒に帰ろうね」
「うん」

ミクとナナは幼馴染だからか、とても仲が良い。

「離れて」

ミクとナナを無理矢理引き離す者がいた。

「帯人」

ナナはミクを睨む少年を見つめる。

「ここ…小等部だよ?」
「知ってるよ」
「どうして居るの?」
「害虫処理しに来たんだよ」

ニコリと笑う。

「害虫ってミクの事かなぁ?」

笑っているように見えるが、よく見ると目は笑っていない。

「分かっているじゃないか」
「喧嘩売ってるのかなぁ?」

二人が睨み合う。

「二人ともやめて!」

ナナは慌てて間に割って入る。

「ナナちゃん、教室に入ろう?こんな奴といたら穢れちゃう」
「ナナ、俺と帰ろうか。害虫といると腐るぞ」

どうしても喧嘩していたいらしい。

「コラ!」

困り果てている所に姉のルカが現れる。

「学校で喧嘩するなって言わなかったかしら??」

セーラー服を着ている。
学校帰りなのだろうか。

「ねね!」

ナナはルカに抱きつく。

「二人とも喧嘩やめてくれないの」
「そっか。後は私に任せなさい」

ナナの頭を優しく撫でると二人を見る。

「さて、私とお話しましょうか」
「あ、俺友達と約束あるんだった」
「先生に呼ばれてるんだったなぁ」

二人は逃げようとするが、あっけなく捕まる。

「そんな遠慮しないで?じっくり話しましょうよ」

その後悲鳴が聞こえたとか聞こえなかったとか…。



「そんな事あったわねぇ」
「中学生ん時の姉ちゃんってヤンキーみたいだったよね」
「あら、そんな事ないわよ」

ルカがフフフと笑う。

「気味悪い」
「そう、有難う」
「ぐふ」

ルカは笑顔だが、ナナの腹に蹴りを入れている。
クリティカルヒットしたのかナナは蹲っている。

「定期検査しに来たぞってウオォ!?」
「あら梓さん、いらっしゃい」

主治医である結衣の兄、梓を迎えたのは笑顔のルカと顔を青くして蹲るナナ。

「何があった」
「秘密」
「そ…そうか」

(多分何かあったな。そうに違いない)

梓はルカの恐ろしさを知っているのか深入りはしなかった。

ライセンス

  • 非営利目的に限ります
  • この作品を改変しないで下さい

狼さんだらけ@番外編「ミクと帯人に勝てるのはルカだけ」

過去話に花を咲かせるうちに、ナナが爆弾を投下したようですw

ちなみに、梓とルカは同級生です
そして梓は何回かルカの恐ろしい場面に出くわしてます
被害者でもありますw

閲覧数:182

投稿日:2011/04/24 01:46:13

文字数:954文字

カテゴリ:小説

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