その日の放課後。美空からメールがきた。しかし、そのメールに返信することはできなかった。
と言っても、誰かに誘拐されただとか、ケータイを盗まれたとかではない。
ケータイが壊れたのだ。それも予兆がまったく感じられなかった。
「これ、確か替えてから半年しかたってないよな・・・。はぁ。」
「で、なんで俺がついて行かなきゃいけねぇんだよ。めんどくせぇ・・・。」
「でも、暇だったでしょ?」
ぼりぼりと頭をかきながら、真二朗が「まぁな。」と返す。
でも、真二朗とも最近遊んでなかったし、たまにはいいだろう。

「・・・あぁ、そうだ。お前、夕田達のこと、どう考えてるんだ?」
「どういうこと?」
「・・・いや、なんでもねぇ。」
「教えてよ真二朗~。」
柄にもなく真二朗が考え込んでいる。何かがおかしい。頭を強打したのだろうか。
「いや、今日暇だよな?この後、一緒に飯食いに行こう。」
「うん、いいけど・・・。」
「その時に話すよ。」
すたすたと前を歩く真二朗。その背中がいつになく、何かに追い詰められていた気がする。

「ふう。ケータイ替えるの付き合ってくれてありがとうね。」
あぁ、とそっけなく返される。まだ何か考え込んでいるようだ。
違う話題に変えようとした瞬間。真二朗が口を開いた。
「お前。もう夕田達と関わるな。これ以上関わると、海田も巻き込まれるぞ。」
「え・・・。」
「まぁ、お前のことだから聞く耳なんて持たねぇと思うがな。忠告だけはしておく。」
どういうことなのか、思考がパンクして、真二朗の言葉が入ってこない。
混乱する頭を必死で押さえつけ、真二朗に疑問をぶつける。
「ど、どうしてなの!?別に美空たちに危害を加える気は無いと思うし、何より友達だし・・・。」
「・・・はぁ。めんどくせぇが、最初っから説明するぞ。」
それからの話は、信じられない話だった。
この町の遺跡や昔の戦争に巻き込まれた場所についてやたら知りたがること。
その場所に行くと、凛と廉がなにやら怪しげな行動をとっていたこと。
また、【Black dusk】という何かに僕と名美が関わっているらしいこと。
そして・・・。真二朗にもう危害が及びかけていること。

「・・・ねぇ、真二朗。今度、美空の家行くんだけどさ。ついてくる?まぁ俺はついてきてほしい。」
「今回ばかりはしょうがねぇよ。ま、いつでも頼ってくれよ、和人。」
「ありがと、真二朗!」

ライセンス

  • 非営利目的に限ります
  • この作品を改変しないで下さい

Black dusk 第1章-10

うん。完結するかわからんw
いや、夏からちょっといろいろありましてですね・・・。

ま、できるとこまで行きます!

閲覧数:37

投稿日:2014/06/30 17:56:11

文字数:1,007文字

カテゴリ:小説

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