まだ冷たい春の風 空っぽの両手を撫でて
無人駅のロータリー 桜が降る
何も無いのさ 僕には
ただ くるり 振り返るだけでこの体さえ軽くなるようだ
始発から二本目の列車で君は去ってしまった
用意してた言葉は全部空を切ってった
僕はさ そこで君の裾を引っ張って 握っておけばよかったのかな

去り際に「また会おう」と君は言ったけど
僕らはもう会わないような気がするんだ
言えなかった言葉は吐息になって春の朝に
いま ひとひら ふたひら 舞う

なぜ言えなかったんだ なぜ言わなかったんだ
なぜ声に出来なかった 声を出さなかった
ふらふら くらくら 僕を絡め取る気怠さがずっと消えないまま
でも歩く 立ち止まれば霞んだ視界も流れてしまうの
僕は前を向いて僕に嘘を吐いた
横切る薄紅に溶けてゆく君の容を
壊れそうなほどにぎゅっと抱いて離れていく
期待してたそれは全部お伽話のようで
駅のホーム 凍えたベルが君を攫ってった
君はさ 僕のことなんて忘れてしまうだろう
春を知った歩道橋の上

もう一回 ほんの少しだけ前からでいいの
やり直せたらだなんて思ってしまうんだ
知らなかったんだ 同じ花は二度と咲かないということを
ただ ひとひら ふたひら 舞う

まだ冷たい春の風 どうか思い出を過去にしないでくれ
僕の中にある言の葉を枯らしてさえ 君のもとには届かないな

去り際に「また会おう」と君は言ったけど
僕らはもう会わないような気がするんだ
さよならだ
僕は春の朝に溶けていくように
いま ひとひら ふたひら 舞う

ライセンス

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春霞(歌詞)

『春霞』の歌詞です。
曲はこちら → http://www.nicovideo.jp/watch/sm33114753

閲覧数:307

投稿日:2018/05/22 06:20:28

文字数:654文字

カテゴリ:歌詞

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