あなたには　届かない　届かない　届かない
あなたには　届かない　届かない　届かない
あなたには　届かない　届かない　届かない
あなたには……

瞼(め)を開けて見る現実(ゆめ)は　痛みを引き連れて
迸る血の熱に　心は溶かされて
不意に伸ばした　この手が掴んだのは　虚空

潺にも似た　穏やかな音に包まれて
絶えることのない笑顔　咲き乱れ
木漏れ日の中で　暖かな肌抱き締めて
醒めることのない夢に　溺れていく

あなたには　届かない　届かない　届かない
あなたには　届かない　届かない　届かない
あなたには　届かない　届かない　届かない
この声は……

あなたには　届かない　届かない　届かない
あなたには　届かない　届かない　届かない
あなたには　届かない　届けたい　届かない
あなたには……

瞼(め)を閉じて見る妄想(ゆめ)は　光を引き立てて
咽返る血の香り　心は壊されて
不意に伸ばした　この手が繋いだのは　虚空

神立にも似た　刹那さの風　吹き抜けて
癒えることのない瑕(きず)を　裂き　乱れ
陽だまりの中で　安らかな寝顔(かお)浮かばせて
醒めることのない夢に　溺れていく

あなたには　届かない　届かない　届かない
あなたには　届かない　届かない　届かない
あなたには　届かない　届かない　届かない
この声は……

あなたには　届かない　届かない　届かない
あなたには　届かない　届かない　届かない
あなたには　届かない　届けたい　届けたい
あなたには……


あの頃は確かに在った　偽りのない念い
いつの間にか　失くして　無くして　忘れて
凍えていく　この手は悴んで　
何にも　何処にも　誰にも　伸ばせなくて　届かなくて

波風の中で　壊れていく未来(あした)に向け
云えることのない言葉　咲き乱れ

あなたには　届かない　届かない　届かない
あなたには　届かない　届かない　届かない
あなたには　届かない　届かない　届かない
この声は……

あなたには　届かない　届かない　届かない
あなたには　届かない　届かない　届かない
あなたには　届けたい　届けたい　届けたい
この声を……

切なさも　烈しさも　憎しみも　愛しさも
偽りも　虚しさも　寂しさも　恋しさも
優しさも　温もりも　孤独さも　この詩(うた)も
この声も……

あなたには　届けたい　届かない　届かない
あなたには　届かない　届けたい　届かない
あなたには　届けたい　届けたい　届かない
あなたには　この声を……