・保育園での七夕祭りの様子を書く。挿入する。


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 「香織ちゃーん、あーそーぼー」
一彦は最近買ってもらったばかりの自転車を得意気に走らせ、香織の家へと遊びに来ていた。
家にはチャイムが付いているが、押したことはない。勝手に玄関を開けて、元気よく叫ぶ。そうすると家の中から足音が聞こえ、香織が出てきてくれる。
「今日はなにして遊ぶのー?」
ヒーロー戦隊がプリントされた一彦のTシャツと違い、香織の服はピンク色にフリルがたくさん付いていて、とても可愛らしかった。
「一緒に公園に行こー」
「うんっ」
香織はお気に入りのサンダルを履き、外に出ようとしたところで家の中から声が聞こえた。
「暑いんだから、ちゃんと帽子を被っていきなさい」
香織は、しまったという表情をしながら慌てて家の中へ戻っていった。それと入れ違いになるように、香織のお母さんが家の中らから出てきて、一彦にも注意をする。
「一彦くんも、ちゃんと帽子を被って行かないと駄目よ?」
一彦は怒られると思ったのか、慌てて玄関先に置いてある自転車のカゴから帽子を取り出し、被って見せた。
香織は再びサンダルを履き、頭には麦わら帽子を被って、準備は万端だった。
「行ってきます!」
一彦と香織は元気よく挨拶をして、まだ自転車に乗れない香織と手を繋いで、歩いて公園へと向かった。

 山間の田舎に住む2人は、遊ぶ時はいつも一緒だった。
雨の日は家の中で玩具を使って遊び、今日のように晴れた日には決まって近くの公園へと遊びに出かけていた。
公園の遊具は滑り台とブランコだけで、あとは小さな砂場があるだけだった。
そんな小さな公園で、2人は飽きずに日が暮れるまで毎日遊んでいた。
「大人になっても、一緒に遊ぼうね」
汗だくになった一彦と香織は、手を繋いで公園から帰る道中、なにげない気持ちで約束を交わした。

ーーーーー※3人称?1人称?↓


・卒園し、小学校に入る補足分を入れる。


 「香織ちゃん、外で遊ぼ!」
小学校のお昼休み、一彦はいつものように香織を遊びに誘う。昨日みたいに、付いてきてくれると思い込んでいた。
「行かない」
一彦は耳を疑った。
「どうして?!晴れてるし、みんな遊んでるよ?」
6月に入り、本格的な梅雨で連日のように雨だった。今日のような快晴は珍しく、男の子たちはこぞって校庭へと駆け出していた。
「だって男の子の遊びって、お洋服が汚れちゃうから」
寂しそうに話す香織に、一彦はそれ以上なにも言えなかった。
「また今度、一緒に遊ぼうね」
香織の返事を待たず、友達の待つ校庭へと急いで向かった。

 香織とあまり遊ばなくなってから数日が経ち、今日は保育園の時から毎年行っている七夕祭りの当日。
小学校の授業は午前で終了し、男の子は午後から山に笹を取りに行き、女の子たちは笹飾りを作ることになっている。
 祭りと銘打ってはいるが、露店が並ぶお祭りとは違い、笹を飾るだけの都会に比べれば寂しいものだった。それでも子どもたちは、この日を心待ちにしていた。

 「おーっ!すげー!」
誰かが感嘆の声をあげる。一彦も心の中で叫んでいた。
最近の男の子たちの流行りの遊びは”探検”だった。探検と言っても校舎の周りを1周するだけだったり、空き地の草むらに入る程度。
しかし今日はいつもと違い、大人たちと一緒に山の中へと入って行く。普段は山の中に入る事は禁止されており、勝手に入ると人喰い熊に食べられてしまうという話は子ども達の間では有名だった。
 大人5人と、子ども5人の計10人の男だけの集団は、程よい笹を探して山の中を進んでいく。

 「ここはこうやって折ると、綺麗に出来るんだよぉ」
小学校に残った女の子たちは、近くに住むおばあちゃん達に笹飾りの作り方を教わっていた。
色とりどりのたくさんの折り紙を前に、香織もワクワクしていた。珍しい色の折り紙もたくさんあり、どの色でどんな風に作ろうかと、想像の勢いはドンドン増していく。

ーーーーー

 笹飾りを作り終えてからしばらくして、男の子たちが笹を担いで小学校へと戻ってきた。笹を取りに行っただけのはずなのに、なぜか男の子たちの体操着は土で真っ黒に汚れていた。
「やっぱり男の子たちって乱暴ね」
男の子の汚れ方を見て、その言葉に香織も同意せざるを得なかった。
おばあちゃん達は笹飾りと短冊を持って、校門へと向かう。香織も一番綺麗に出来た自信作を誰にも取られないように大事に持ち、他の女の子たちと、あとを追いかけた。

 「わーっ!それって香織ちゃんが作ったの?!」
一彦は香織の作った笹飾りを見ると、山の中に入った時にも出さなかった声をあげた。
「うんっ!綺麗でしょ?」
予想以上の反応に、香織は自慢げに答える。
「今度、僕にも作りかた教えてね」
そうにこやかに話す一彦の後ろで、号令がかかる。
「笹を立てるから、男の子はこっちに集合!」
香織の返事はその声にかき消され、一彦の耳には届かなかった。
「うん、絶対に」

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ライセンス

  • 非営利目的に限ります
  • この作品を改変しないで下さい

1.幼少編

書き殴りの暫定版。これを書き足して推敲した物を完成品とするつもりなので、ここから大きく書きなおすことはない。と思います。

作詞・作曲の都合上、ストーリーを改変したい箇所などありましたら、教えてくださいm(__)m

物語として成り立っているのかは、ちょっと微妙です。どこまでもあらすじ感があるのは、推敲の時に直せればいいなー・・・・・・。


所々に書いてあるメモ書きは無視してください。

閲覧数:167

投稿日:2016/05/21 17:56:50

文字数:2,085文字

カテゴリ:小説

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