何もかもやり尽くしたような気でいて
何もかもやり残したように感じている
閉じた世界の全てはすぐに埋まるのに
外の世界は何もかもが永遠になる

知らない人に会いたくなる日はいつ?
見たことのないものを探したくなって
でも結局見たことのないものだから
見つけてもそれかどうかわからなくて

通り過ぎていくはめ忘れたピースが
駆け出していく後ろ姿を見て笑う
ふと立ち止まって振り返った顔見て
そよぐ風にほおずきが揺れている


今もなお未練がましく思っているようで
今でさえ毅然として明日を想っていたい
何かをずっと作りたいと願っていたのに
今ではずっと繋げるだけの単調な日々

どこにでも行けるって知った日からいつも
いつでも行けるって躊躇ったままずっと
でも結局行くことの無い道ばかりだから
踏み出してもそれが正しいかわからなくて

触れようとして後回しにしたピースが
手を出せず腕組みの姿を見て呆れてる
不意に訪れた南風に舞う欠片たちが
あの白い雲に溶けて消えてしまう前に


「あの頃」が褪せたアルバムになるならいらない
「あの頃」を未知の原点にするなら消えない
誰かの道を代わりに歩くことも出来ないし
拾ったピースはどうしたって使えっこないんだ

やけに輪郭のはっきりした背の高い雲を
朝露に光るクモの巣越しに見たって
何もかもが手遅れに感じて気持ちが淀む
アルバムをしまい込んで忘れていくように


小利口なフリをして人混みをかき分けるには
どうにも不器用だったし肩身だって狭い
何も知らないフリで水たまりに飛び込むには
どうにも不自然だったし着替えだって無い

あの頃の自分に罵られて蹴られるくらいなら
追いかけて首根っこ掴んで引きずってきて
アイスでも食って下らない話を聞いていたい
何の意味も無い話が大切なピースだった


それが最後のピースみたいに

ライセンス

  • 非営利目的に限ります
  • この作品を改変しないで下さい

夏の終わり、ひとつだけ残ったピース

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投稿日:2021/08/04 20:37:11

文字数:781文字

カテゴリ:歌詞

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