闇に静まる森の廃屋
淡い洋灯(ランプ)を灯したら
凍れる時が廻り出す

はじめて君のドレスを見た日
叶わぬ恋に落ちました
君は令嬢 僕は楽師

穏やかな木漏れ日が
夢を奏でた遠い春
透き通る月影に
彷徨う幻燈ロマネスク

青いドレスをなびかせながら
あの日の君がそこにいる
触れることさえできないのなら
祈りの羽根よ 月に舞え

歌を失くした 僕は楽師



可憐な花と貧しき楽師
届かぬ歌がありました
違う世界に生れたふたり

華やかな時代(とき)は逝き
今では誰も覚えてない
朽ち果てた廃屋に
置き去りのままのロマネスク

古い時間のヴェールの向こう
カナシク微笑む君がいる
琥珀に眠る鎖された日々
短い春を生きた君


時の柩に深く沈めた
あの日の歌をもう一度


古いフィルムが途切れ途切れに
月の光に踊りだす
残酷なのは美しき日々
帰ることなき遠い夢

叶わぬ恋を 届かぬ歌を
時は静かに奪い去る

ライセンス

  • 非営利目的に限ります
  • この作品を改変しないで下さい

幻燈ロマネスク

閲覧数:127

投稿日:2021/10/02 11:26:18

文字数:403文字

カテゴリ:歌詞

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