名を八百屋のお七
其の姿は美しく
または花のお七と人は言う

ある時八百屋は
大火に見舞われて
近くの寺に仮住まい
そこで恋に落ちた相手は
齢の近いお武家様

三弦が響く色街の
女達は口々に
あれが八百屋の色娘
誰が惚れるも無理は無い



名を八百屋のお七
其の瞳はまっすぐで
その心も素直と人は言う

共に過ごす時
過ぎ去る矢のごとく
死んでも忘れてくれるなと
契りを交わしたあの彼に
再び出会う術はなし

燃えゆる恋の焔に
ついに理性も焦がれたか
一輪の藁に火をつけて
ぽいと我が家へ投げ放つ



名を八百屋のお七
火の見櫓に登りて
半鐘叩くが有名の

ここの八百屋さえ            (この家《うち》さえ)
いっそ焼いてしまえば         
夢見た彼との二人連れ          (なくなれば)
何人《なんぴと》も知らずと思ったか   (また会える)
お七はすぐ召し取られた         (信じたに)

一輪の咲いた想い花
街が全て花篝《はなかがり》     
真っ直ぐだった瞳は虚ろ
それに映る火影は揺れ



名を八百屋のお七
一途な恋に街ひとつ
燃やさんとしたあの娘

哀れなお七に
町奉行の情け
お前の年は拾四だろう
うんと頷けば助かるに
拾五と言うた一言で

天和の大火のその後に   (あれが一度に燃ゆるなら)
燃え盛る恋心       (熱かろう 苦しゅかろ)  
真の焔に変えて      (微かに届く彼の声) 
末期それに消えた娘    (末期叶うはその願い)


一輪の咲いた想い花
街が全て花篝(はなかがり)
真っ直ぐだった瞳は虚ろ
それに映る火影は揺れ

天和の大火のその後に
燃え盛る恋心
真の焔に変えて
末期それに消えた娘

ふと見た遠くに
あれはのぞきからくり
響く声は一体
何処のお話だったかな



ライセンス

  • 非営利目的に限ります
  • 作者の氏名を表示して下さい

【八百屋お七物語】 花篝~はなかがり~ 

※主にミク、( )内はがくぽです。後は鏡音リン&レンがコーラス担当。
 南極庵 様が作曲をしてくださいました!!、、、素敵です!感謝です!!
 ありがとうございました!!
 曲付きの歌はこちら(決定版)http://piapro.jp/content/p5qhybcfrntotajo

※一部歌詞を変更いたしました

始めまして、麻呂マルと申します

有名な八百屋お七のお話で
古くから伝えられる伝統ののぞきカラクリと有馬旧音頭を元にして
書かせていただきました

悪ノPに憬れるあまり
和風悪ノ娘風味にしようと意識して書いたつもりなのですが…

お七の相手には幾つか諸説がありますが
て寺小姓だとあまりしっくりしないので
武士の左兵衛という説を取りました…名前は出てきませんが

閲覧数:541

投稿日:2009/05/30 02:43:45

文字数:782文字

カテゴリ:歌詞

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  • 梅ノ介

    梅ノ介

    その他

    >>南極庵 様

    曲を聞かせていただきました!!
    素敵な曲をありがとうございます。
    切ない感じのミクの歌声がとても綺麗に響いていていますね!!!!

    歌詞の変更など全然構いませんよ
    寧ろ、こんな歌詞に曲を付けていただいた感謝しかございません!!
    本当にありがとうございました。


    2009/05/23 14:19:05

  • 烏有_喪音

    烏有_喪音

    使わせてもらいました

    突然失礼します。
    あなたの詞を曲付け・投稿させていただきました。
    http://piapro.jp/content/lyg5apfeyzigasc0
    なお、僭越ながら音数合わせなどの都合のため若干語句を変えた部分があります。
    お気に召していただけるか不安ですが、修正にも削除要請にも応じますのでご一報ください。

    2009/05/23 10:42:14

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