【未来の読めるドジっ娘】

私は未来が読める女の子
天気も株価も手に取るように
…今日も寝坊で電車は遅延
犬に噛まれて財布をなくす

ちゃんとわかってるのだけれど
何でか上手くいかないのよ
私にとってこの能力（チカラ）は
相性ってもんが悪すぎる

いつか白馬の王子様　こんな私を迎えに
舞い降りてきてくれるとの…予報です

テストに出るとこ全部わかるのに
記入ずれててたったの２点
今日は大好きなカレーの日だけど
お腹が痛くて食べられなくて

何でこんなに上手くいかないの
ホントはもっとデキる女の子
いつかオトナの女性目指して
流行る前のマスカラに手を出す

私は未来が読めるドジっ娘
今日のおとめ座はダントツ１位
だけど天気は下り坂で
帰りにビショ濡れになる予感

天気予報は見事にはずれ
私の予報がぴったんこ
折りたたみを家（うち）に忘れ
昇降口で途方に暮れる

ここで私の予想裏切られ
運命の時がやってくる
後ろから肩を叩かれ
「２本あるけど使う？」と傘を

クラスで一緒の男の子
前からちょっとね　気になってた
お礼を言おうと顔を上げたら
傘も差さずに走っていった

どーしよ！どーしよ！嘘ーどーしよ！
告白されたわけでもないのに
胸はどきどき　顔はにやにや
心臓の音が８ビート刻む

もしかして彼が王子様？
夢オチとかないよね？
びびっと予感が走った
明日、告白される…

そして次の日、教室行くと
体育館裏に呼び出されました
今度は絶対、ドジしませんよ
一世一代大勝負なの

「付き合ってほしい」と言われました
わかってたのに涙が零れた
すごくうれしい　とてもうれしい
ぼやけた世界で幸せな未来が、見えた

あ、これ…パンダ目にならない