目を閉じて両手を広げてから次に
音もなく体中が傷痕にまみれていく


塞がる間もなく傷は増えていく
幾千の絆創膏が何の役に立つ?
痛みを感じる前に新たに傷が
なんだか妙に笑ってしまうんだ

傷で欠けていく僕の影をごらんよ
まるで全てを嘲笑うように愚か
微動だにしない体に傷が囁く
自分自身の魂を削るように儚く

笑いあげる首筋に開けた口元に
答えのない傷痕が今日も訪れる
予約もなく挨拶も無しに失礼だな
まぁいいや少しだけ話を聞いてよ


誰かが振り返る時僕はもういない
生々しい匂いだけをわざと残して
のたうち回ったってフリに見える
だったら最初から感覚を消しとこう

見てごらんお月様と良い勝負だろう?
傷が増えて自分の形すら失っていく
このままいっそ闇に熔けていたい
魂を夜に浸して心が霞と化すまで

上がる口角に腫れたまぶたに全身に
謂れのない傷痕がもっと訪れる
会釈もなく握手もなしに無礼だな
まぁいいや少しだけ歌を聴いてよ


優しく包めば治るなんてきれい事
傷の痛みも深さも自慢しないけど
笑顔で看病されるのが何より痛い
銃創に絆創膏貼るくらいの忌まわしさ

それならもう黒服纏って弔ってくれ
土の下の仲間入りが何より一番安堵する
取り返しのつかないこともう何度目か
涙を流すなら全て終わらせてくれよ


手も上げず手も振らず不躾だな
まぁいいや少しだけ愚痴を聞いてよ


この痛みがやがて脳裏を埋め尽くすまで

ライセンス

  • 非営利目的に限ります

遠い傷痕と哀れな無礼者

閲覧数:59

投稿日:2021/12/17 22:38:48

文字数:612文字

カテゴリ:歌詞

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