*Rin side


「ぃ、やぁ…!」

精一杯抵抗する。してるのに!
指は深くに入り込んでいく。

「可愛いね?」

男の人の手が再び中に入ろうとしたとき、目を瞑った。
嫌だ、嫌だ、嫌だ、嫌、嫌嫌嫌嫌嫌嫌嫌嫌嫌・・・・

「いただきます」

助けて、誰か、誰かぁッ!

「いやあああああああああああああああああああああ!!!!!!!」



*Len side



「!?」

リンの叫び声が聞こえた。
此処はゴーストタウン並みに静まり返った所。
絶対ここじゃないと踏んでたのに・・・!

この辺だとは分かっていても、リンの場所を特定するのは難しい。
俺は路地裏に入って叫んだ。

「りいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいん!!!!!!!!」

ぃぃぃん、と寂しく反響したその声よりもっと微かな声が聞こえた。

「たす、けてっ!!!」

左だ。左にリンが居る。
確信を持って左折すると、向こうにリンと忌まわしい糞野郎の姿が見えた。

「殺してやるッ・・・」



*Rin side



突然叫んだ私に驚いた男の人は、しばらく呆気に取られていた。
でも次に響いた私の名前にはもっと驚いたようだった。

慌てて逃げようとする男の人の足を引っ張ってやった。
ちょっと仕返しした気分。

そこに立ってたのは、やっぱり、なぜか、レン。

「殺してやるッ・・・!」

ぎらぎらと殺意むき出しの目を見て、男の人は怯んだ。
こいつ、ヘタレ?

レンは拳を振り上げて、超強烈な一発を見舞った。
そこにすかさず蹴りを入れて、また殴る。
すげぇ、格ゲーのコンボみたい。

自分の安全が保障されると、疑問と、ついでに羞恥心が沸いてくるもので。
急いでスカートの下に下着着て、少し濡れたスカートもパタパタやっとく。

なんで、レンは助けに来てくれたの?
ネルちゃんと一緒だと思ってたのに、私なんか遊びなんでしょう?

「警察呼ぶか…」

ボッコボコにした男の人を踏みにじりながらレンがケータイを取り出す。
傷害罪でレンが訴えられるんじゃない?

「い、いーよ!私の言動も悪かったし…レンがボコボコにしちゃったし…」

「だって…」

「大丈夫、だから」

レンは仕方ないな、と言ったけど満足はしてなさそうだ。
男の人はボコボコなのに猛ダッシュで逃げていった。










「ごめんなさい」

レンは悪いことをした私を許してはくれるだろうか?

「なんでリンが謝んの?全部俺の不注意でさ」

「いいの!ありがとう、もう大丈夫、だから」

心の中の小さい私はやめてって叫んでるのに。泣いてるのに。

「早くネルちゃんの所にっ」

ついに私も泣いちゃったのに。
レンを見たら胸が苦しくなるのに。

「行って…」

温かいものが私を包んだ。
レンだ。

「やだ。行かない」

「なんでっ」

「わかんねぇのかよ!」

レンは私を離して真っ直ぐ向き合った。
少し顔が赤い。
多分私はもっと赤いんだろうな―――


「俺が好きなのはリンなんだよッ!!」


レンの顔がどんどん紅潮していく。多分私の顔も。
何で?レンが、私を・・・・・?

「・・・・・私は、レンが、多分、すき、です」

単語の一つ一つに深い意味を込めて。

「・・・・・・・・・・多分?」

「だ、だってレンが言ったんだよ?私に教えてくれるって」

「あー・・・本当の意味を学んだのは俺の方かも・・・」

「これが、恋?」

レンは少し唸ってから笑った。
私はその笑顔に落ちました。
態度とは裏腹に、温かくてやさしい笑顔に。

「俺はそうだと思う!」

「・・・俺は、なんだ」

「まぁ気にすんな。いまから帰って消毒しなきゃな!」

「?」









「リンちゃん!」

今にも飛びかかりそうなカイトさんをレンが蹴り、メイコさんが殴って一発KO。

「このロリコン野郎がぁッ!」

「無事で何よりです、本当によかった・・・」

メイコさんがへなへなと座り込んだ。
きっとさがしてくれたんだろうな・・・

「すみません・・・でもありがとうございます!」

とっくにお仕事の終わりの時間なのに居てくれたメイコさんとカイトさんにお礼を言うと、二人は「失礼します」と帰って行った。

「いい人だね」

「多分気を遣ったんだろうな・・・」

「え?何を?」

「さぁリン、部屋に行こうか!」

「?はぁ…」









部屋に入るやいなや、私はベッドに押された。

「じゃあリン?なにされたか具体的に言ってね?」

「へ・・・?覚えて、ないよぅ」

「うー…じゃあ同じように感じてよ?」

「な、ななななななな・・・む、無理っ!」

「嫌?」

レンはずるい。
ホントは嫌じゃないって分かってるはずなのにわざと聞く。

「だって・・・怖いよ」

「大丈夫、怖くないから・・・」

「んっ…」

前にしたのよりずっとずっと甘い、キス。
何もかもが初めてで・・・

「いいよ…レンなら…」

「そう言われなきゃ困る。リンをそのままほっとくとか無理」

少しずつ衣服は脱がされていく。
スカート、セーラー服とネクタイ・・・

「ひゃんっ?」

「こっからが本番だから覚悟しろよ?」

「うぅ…分かった」

目を閉じた。
私の全てを、レンにあげます。


頭の中で、恋成就のワルツが鳴っていたのはなんでだろう。


そっか、これがきっと「初恋」なんだ。


今日はすごく特別な日。
「多分」じゃなくて、冗談抜きで、レンを本当に好きになれた日。

ライセンス

  • 非営利目的に限ります
  • この作品を改変しないで下さい

初恋の円舞曲 12

完☆結!
えー最終回はロリコンにつかまったリンとそれを捜すレンが町の中心で愛を叫んでロリコンをフルボッコにして告って家に帰って消毒と言う名のあうあうしたっていうお話でした。

久しぶりのアウトっぽいものですね!

あと…多分コレ、別名で続きますね!
いつの間にか空気になったレンの金持ち設定とリンのツンデレ機能が反応しなかったので。

なにがともあれ、読んでくださった読者様、メッセをくれた読者様、そして愛すべき友達、ありがとうございました!

閲覧数:2,223

投稿日:2011/07/17 19:39:42

文字数:2,298文字

カテゴリ:小説

  • コメント2

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  • 紅華116@たまに活動。

    侑子!!
    こんな最高の話を書いてくれてありがとう!!
    あうあう最高!ご馳走様でしたー!!

    そういえば改名したんだね☆これからもよろしくね~^^
    続きの小説も楽しみにしてるよ♪

    2011/07/18 13:33:45

    • 楪 侑子@復活!

      楪 侑子@復活!

      紅華ちゃん  いえいえこんな駄文でゴメンネ?
             あうあう久々に書いたからなんか違和感が・・・
             そう!蒲公英はなんかめんどくなった(ぇ
             ありがとう!これからもよろしくヾ(≧∪≦*)ノ〃


      リオちゃん  ロリコン野郎、ヤり逃げかっ・・・
             今度正体を暴くことがあったら(ないかもしれないけど)ぜひ!
             あうあうが最終回だけとは・・・誤算(←
             なんかいつの間にか空気になっちゃったのよ・・・アレ・・・
             これからもよろしくね(*´∀`*)

      2011/07/20 19:20:06

  • シベリア

    シベリア

    ご意見・ご感想

    完結おめでとう!え、続く?やったああああ!!

    ロリコンざまぁwww君はレンにぼこぼこにされるのが宿命なんだww
    消毒もっとやr(((死んでみる?((いやだ(((
    ツンデリンいいね!!金持ち設定とか見てみたいww

    2011/07/17 22:59:41

    • 楪 侑子@復活!

      楪 侑子@復活!

      実亞さん  レンかっこいいですか?よかったです(*´∀`*)
            リン、ちょっとそこどきなさい(((
            続きますよ!ツンリンは正義ですね^q^


      シベリア  いえーい!続くんだな!
            ロリコンはさいごまで名前わかんなかったな・・・
            消毒の描写もっとやっとけばよかt(←死ね
            金持ち設定マジ空気だったな・・・・・

      2011/07/17 23:44:34

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