息を切らす音がただ
透き通る霧に溶けてく
草深き夜の静寂を
描ける足音がふたつ

後ろ手に伝うあなたの
手の冷たさを想う度
揺らぎ乱れる鼓動は
後悔の海鳴りだろうか

過ぎ去る夜を私は だけど振り向けずにいた
何も語らず土を蹴る あなたの目を
覗けばすぐに心が 折れてしまいそうだったから
紅い氷に触れたなら すぐに


悲しそう

な 目をしてるのは月
群青のフィルター

何もかもを忘れ
宵闇に絆され
だけど来る明日へ
怯えながら逃げている

悲しそう

な 目をしてるのは私


魔法は
確かにそこにあったのだろうか
思い出せば遠い
胸の火は冷たい
永い夢を見てたのか
それとも今も

海面に
明けの光が一筋走る
雲が俄かに染まる
目覚めた鳥がふらつく
紅い髪が揺れてる
揺れて…


繋いだ 手と手が
軽くなったのはそう 魔法なんかじゃない
いつの間にか隣で 並んで駆けるあなたの
何か話した言葉を 私は聞き取れなかった

見つめた あなたの 背の日差しが眩しくて
顔の仕草も見えなくて
だけど目を逸らせなかった
息さえ聞こえなかった
「急ごう」とだけ聞こえて
夜が醒めてく


朝霧の中を進む
草露を散らし駆けてゆく
息を切らす音はいま 鳥の音に消えてゆく
何処へ行けばいいのかも
手に伝う熱の由来も
夜はもう教えてくれない

ライセンス

  • 非営利目的に限ります
  • 作者の氏名を表示して下さい

[悲しそう] 歌詞

閲覧数:196

投稿日:2020/04/05 06:58:29

文字数:567文字

カテゴリ:歌詞

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