悲しいって君が言うから
僕は泣かなくなった
消えたいって君が言うから
僕は泣けなくなった
見た目ばかりが変わりゆくのに
幼いまんま止まってしまったみたい
帰られない
あの日の君は今も僕と
同じ景色を見れているんだろうか
過去がまだ君の行く先に
大きな花を咲かせている
踏み荒らしてしまいたいほどに
それは鮮やかな色を残している
残酷なまでに鮮明な花を
美しいと思える日が
来るのなら君は死なないのに

苦しいって君が言うから
僕は冷たくなった
殺してって君が言うから
僕は心が失くなった
当たり前のように過ごしていた
毎日をあとがきのように加えて
終わらせたい
あの日の君は今も僕と
同じ時間を歩めているんだろうか
流した涙の数だけ
弱った心が記憶している
振り払ってしまいたいほどに
纏わりつく空気を吸い込んで
浅くなった呼吸が胸を締める
随分と長く生きてしまったようだ
君は呟いた

雁字搦めの体が
重く引きずる心が
食い込む爪の痕が
フラッシュバックして
枯らした喉の奥が
聴こえない君の声が
引き攣れた皮膚の痛みが
僕をずっと
今もずっと
赦さないから
あの日の君は今も僕に
同じ気持ちを抱いているんだろうか
同じ場所で永遠に
同じ時を刻んでいて欲しいって
変わることを阻むのは
過去の傷を剥き出しにするのは
きっと僕等の過ちを
今もまだ赦せないから
それでも明日は来るんだよ
どれだけ過去にしがみ付こうとも
だからどうか
勇気の使い方を間違えたりしないで
独りになんてしないから
君の痛みも脆さも
全部受け止める覚悟はもう出来た

ライセンス

  • 非営利目的に限ります
  • この作品を改変しないで下さい
  • 作者の氏名を表示して下さい

アイデンティティ(仮)

過去を生きる自分と、今を生きている自分。
変わらないものと、変えられないものと、
変わってしまったもの。
あの日のあなたは、今のあなたと共にいますか。

閲覧数:68

投稿日:2024/02/02 01:16:56

文字数:669文字

カテゴリ:歌詞

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