繋いでいたママの手はいつしか
どこかに消えていっちゃって
代わりに別の手がたくさん現れ
私の気持ちを持って行こうとしてた

それはだれかもわからない
それはどこかもわからない

適当な手を掴んでいたらそれから
いつの間にか時間とお金が消えてた
少しばかりの笑顔だけ残して
それがやりたいことかも分からずに

呆然と立ち尽くしていても知らぬ顔
唖然と呆けていても横目でチラ見

何かを掴み取るのが怖くなって
誰かに縋り付くのも怯えちゃって

私の気持ちを奪おうとする手が伸びる
我先にと争って幾重にも巻き付いて
返してはくれない戻ってもこない
どこかに消えた私は今どこかな

消えてく気持ちに心は追いつかず
とうとうなにもなくなっちゃった
眠ることしか出来ないままで
窓の向こうにはまだ手が伸びてる

逃げようか立ち向かおうか悩んで
声が聞こえてきて振り返ってみる
「振り回されないで」って小さな声
「歌を一つ思い出して」囁く声

か細い声で思い出せる歌を口ずさむ
想いの中心が歌になって息が出来る
軸がピタリとズレなくなったコマみたい
今ここには私と歌だけが響いてる

歌い終わると頭の中に広がるのは
忘れていたはずの小さなリズム達
会えたねまた会えたねってにこやかに
次から次に歌い続けていってた

気持ちが溢れて誰にも怯えずに
何も掴まなくて良いって知って
奪おうとする手は見えなくなった
そしてあの時の声の持ち主とは

こうやって今も手を繋いで歩きながら
一緒に笑いながら歌ってるんだ ね

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  • 非営利目的に限ります

マインド窃盗

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投稿日:2021/11/24 21:18:40

文字数:647文字

カテゴリ:歌詞

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