scene#08

地面に落ちたルミのハイヒールアップ。かかとが折れている。

ルミ「たたたたた。。。。」
シゲ「あたた、す、すんません!」

後ろを気にしながら、ルミを抱え起こす。

ルミ「このボケ!どこみとんじゃ!」

ルミ、シゲの手を払いのけながら立とうとする。ガクっとなって
またうずくまり、足をさする。

ルミ「あいたっ!たたた!」

遠くで、チンピラのシゲを捜す声が聴こえてくる。

おろおろするシゲ。

ルミ「ったーー!お前のせいでくそ!ついとらん。こらボケ!どこみとんじゃ!
   あーヒールも壊れてしもたやないか!どないして ウッググ」

シゲわめくルミの口をふさぎ、抱きかかえて走り出す。

チンピラA「あ!おったぞー!こっちやー!」
ルミ「んぐんぐぐぐ!」

路地に飛び込んできて、トラックの陰にルミを抱えたまま身を潜めるシゲ。
まだルミの口を塞いだまま。

シゲ「ハアハアハア。。ごめんな・・・騒がんといてくれるか?」
ルミ「(うなづきながら)んっぐ」

シゲ、ふさいでいた手を離す。

ルミ「ワーーーーーーーーーー!!ング」

シゲ、慌ててまたルミの口をふさぐ。

シゲ「頼む頼むたむ頼む!!このとおりや!なんもせぇへんから!ほんまや!」

ルミ、ジタバタしながらシゲを睨んでる。

シゲ「ねえちゃんが!!!」

その声にびっくりしてルミの動きが止まる。

シゲ「わいのねえちゃんが、犯されてん・・・」

●フラッシュバック
モノクロ 部屋の中で押さえ込まれて犯されてるシゲの姉としたなめずりする田澤。

シゲ「わい、信じとったのに。。」

●フラッシュバック
モノクロ 玄関から入ってくるシゲ。持っていたパチンコの景品を落とす。
カメラ、引いていくと手首を切った腕がカットインする。

シゲ「好きやったんに。。。」

●フラッシュバック
モノクロ シゲ、持っていたナイフで叫びながら田澤に向かっていく。
腹にナイフがささったまま倒れる田澤。その陰から立ち尽くすシゲ。

シゲ「ほんまやで・・・(泣きながら)」

ルミ、シゲの手を静かにどけながら、

ルミ「白根んとこの田澤やろ。うっとこの女の子も何人かヤられたらしいわ。」
シゲ「うっうっうっ」

ルミ、バッグから煙草をだして火をつけ、

ルミ「はぁ。。そいや、さっき店にも若い衆がきとったな。あんた、何したん?」
シゲ「オジキを刺してもた。」
ルミ「ああ!・・・・あんたやったんか。。。」

シゲ、ひざをかかえて泣いている。
ルミ、、少し考えて、立ち上がる。

ルミ「あいった。。くそ!」
シゲ「あ、ごめん。。大丈夫か?」
ルミ「ちょっとひねっただけや。そんでどうするつもりなん?ねえちゃん、どうしとるん?」
シゲ「わかんない。。病院に運ばれたんはみたんやけど、頭に血ぃのぼってしもて。。」
ルミ「あほ!なんで付いててやらんの!!」
シゲ「ご、ごめんなさい・・・」
ルミ「あたしに謝ってどうするん?アホゥ!」
シゲ「ご、ごめんなさい・・・」
ルミ「あーもう!・・・とにかく、、、付いてきぃ!」

ルミ、シゲの手をひっぱって起こす。

ブラックアウト

ライセンス

  • 非営利目的に限ります
  • この作品を改変しないで下さい

TITLE 『逝く夏』  #08

脚本
scene#08

閲覧数:153

投稿日:2013/08/27 00:35:37

文字数:1,372文字

カテゴリ:その他

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