「突然ですが問題です」
インターホンから流れ出す謎の音声に
気味が悪くなり接続を切ろうとした
「そんな顔してないで聞いて下さい」
画面の向こうで覗き込む人影を見た
怖くなって足がすくんでしまった

「ごめんね、突然。さてそれでは本題です」
男はそう言って笑顔を向けた
「僕があなたに惚れた理由は一体なんでしょう?」

分からない。解らない。知らないよそんなの、君は誰?
懐かしい声と、初対面の問題は、この頭を埋め尽くしたんだ。

「ほんとに好きなんです」
フラッシュバックしても分からないこと
戻らない記憶と過去の闇
「あなたのことをずっと―」
そこで切れた消えた微笑みは
思わず零れる涙の糧となる

「知らないよね、ごめんね。急に。分かっているんだ」
男はそう言って瞳を閉じた
「僕とあなたには何が足りない?過ごした日々の記憶を…」

教えて。お願いだから。私の記憶はどこにあるの?
一瞬脳裏をよぎる泣き顔と、知るはずもない君の名前。

「今はこうして、2人で、あなたの顔を見ることさえ許されないけど」
「つらかった過去は無理に思い出す必要なんてないんだから」

プラスチック、遮る扉の向こう。取り押さえる人影に埋もれて
目が眩んで全てに絶望していた日、突拍子もなくやって来た。

ライセンス

  • 非営利目的に限ります

好きの押し売り

シリーズ2個目です。あともう1個書ければいいかなーと思います。

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投稿日:2013/05/16 19:27:09

文字数:541文字

カテゴリ:歌詞

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