　ある雨の日のことだったの
　狭い路地　あなたが通った

　古い家　おんぼろとも言う
　そこが今　あたしのおうちよ

　泥だらけのあたし抱いて　あなたは笑う
　…いいわ、少しだけここにいてあげる　にゃう↑↑

　屋根の下　あなたとおばあちゃん
　広い家　雨漏りするけど

　晴れた日の縁側　ぽかぽか
　おばあちゃん　一緒にぽかぽか

　なんだかあったかで　とてもいい気持ちだよ
　誰かが言ってた幸せのかたちなんて

　なんだか信じられないよ
　意味もなく木の上にのぼって考えてみる

　…どうしよう、おりられないのにゃ
　震えるあたしに手を差し出し　あなたが笑う

　寝坊した　あなたが駆け出す
　大切なお弁当忘れて

　仕方ない　あたしが届けよう
　お弁当　ねぎだくいいよね？

　駆けるアスファルトの道　あなたが通った道
　わくわくするよ　見えてきた校門の中

　広いグラウンド　高い校舎　あなたをさがすよ
　見つけたあの後ろ姿は…

　隣で笑うあの彼女は誰なの？
　なんだか幸せそう　ふたり一緒で

　落ちたお弁当　この気持ちは何だろう？　…わからない
　だけど駆け出す　何処とも知らず

　べつに、さみしくなんてないんだから
　べつに、かなしくなんてないんだから

　ちょっと昔に戻っただけでしょ
　…ふいにこぼれたシズクはなに？

　冷たい雨が降りそそぐ　寂れた路地裏
　小さな影　ひとり震える

　ふいに聞こえてきた足音　あなたがあたしに手を差し出す
　それを引っ掻いて　逃げ出すあたしを抱き上げ

　それでもあなたは、いつものようにやさしく笑う