神様、どうしてあたしを見捨てたの?


貴方が私と手をつなぐ強さと等しく感じてしまう程の
その誇りを私はとても長い間羨やんでいてね。

あんたは平気で嘘をつく癖に、私の嘘は見抜いて、それから許さない様な
誰かの価値観なんて知らずとも 既にその((誰か))ですら介在する余地の無い程に
行き先を最初から見渡しているあんたに、とても暴力に似た愛情で、想っているの。

あんたはを闘争を退屈と言った傍から壊れた音匣を絶賛する様な所があってね。
自分で分かって無いんだろうけど。
その曲がった根性であたしに憎まれ口を叩きながら、私の茶色い髪に指を入れる様な。
正義も不道徳も全部一周回って自己完結する癖に、私の耳に囁いて擦り傷を作る様な。
凄く、嫌な性格でね。

でも私は、そんな貴方と融け合いたいと思う事ですら、何かしらの罪悪である様な気がしちゃてさ。
(だけど、そんな事は裸にされて乳房に優しいキスをされると、どうでも良くなっちゃうんだけどね。
だけど、そうなるとかえって私が私である事を意識してしまって、後からいっそ記憶喪失になりたくなってしまうんだけどね。)

この愛情のいびつな形態ですら、貴方のごつごつした両手で撫でられたのなら
ざわついた手触りすら無い不気味なそれに、すっかり昇華されてしまう様な気がしてね。
そんな事は悔しくて嫌だから、ずっと見せられない酷い姿のままで、私が大事に持ってたいと。
(あんたのくれた、お高いピアスみたいにね。)


ねえ、神様。どうしてかなぁ?


どうしてあたしはあの誇り高い後姿を。
憎んだり消化したり見送ったり慈しんだり出来ないまま
死ぬ迄見せ付けられ続ける事迄、愛せてしまうのかなぁ。


神様、どうしてあたしを見捨てたの?
ねえ、どうして ?


どうして、あの人はあの人で、あたしはあたしで、
死ぬ迄同じ景色は見られないのに、
キスすると、溶ろけそうな。柔らかい気持ちになるのかな?


こんなにも、あたしは絶望しちゃってるのにさ。

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【歌詞】ヒーロー

趣味で書いている詩です。

歌詞と言うよりは詩の形ですが、ご希望がありましたら歌詞の体裁にさせて頂きます。

閲覧数:194

投稿日:2021/02/16 09:48:55

文字数:841文字

カテゴリ:歌詞

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