白々した観念を前頭葉に飼っている
生まれ落ちてしまった生涯最大の不幸を携えて
地べたで泥をすする代り映えしない毎日を
漠然と明日が来なくても困らないような
今日をやり過ごしている

他人(ひと)の褒めてくれた白い翅はもうないけれど
飛び方をすぐに忘れてしまうわたしには丁度いいくらい

気圏に焦がれるわたしの翅は
ライターの火で赤々と燃え広がり
あなたは綺麗と呟いた
その瞳に映る、舞い上がる緋色の方が
よほど美しいのだと言えずにいたのです

寒々した諦観を海馬に飼っている
三年前についた嘘が後ろからそっと忍び寄り
今夜わたしの首を絞めるだろうか
吐いた唾で濁った視界にワイパーもなしで
臨むような日々を送っている

バランスの悪い躯引きずって地を這いずるけれど
個性ひとつ失えど意外に心は麻痺するくらいで生きてゆける

気圏に焦がれるわたしの翅は
ライターの火で赤々と燃え広がり
あなたは綺麗と呟いた
その瞳に映る、舞い上がる緋色の方が
よほど美しいのだと言えずにいたのです

今日も生きながらえてしまったわたしは
あなたのその言葉だけ抱(いだ)いて
息をしたいと切に願う
今夜も愚かな天使がひとり
この都会の狂騒のどこかで燃えたようだ

その瞳に映る、舞い上がる緋色の方が
よほど美しいのだと言えずにいたのです

ライセンス

  • 非営利目的に限ります
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  • オリジナルライセンス

天使は燃えていた

羽根の燃えた天使の歌詞です。

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閲覧数:830

投稿日:2021/04/08 19:37:05

文字数:558文字

カテゴリ:歌詞

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