バイト終わり　雪が降ってきた
夜8時　人混みの駅前
足早に帰ろうとするけど
「羨ましい」この想い拭えず

街中を歩くカップルを一瞥　
「特別」不思議な感情
怪盗サンタクロース参上
「今夜はわたしとふたりで　光の街で過ごしませんか」

見覚えのあるサンタクロース
着飾っただけのビスク・ドール
息を切らして　街に溶け込む
でもブーツは　いつも通りの
1回だけ　知らないフリした
慌てて「わたしだよ」と名乗った
少し憂鬱な　イブだったけど
元気が出たよ　ありがとう

あの娘にフラれた君を見た
取り繕った苦笑いで
「ダメだった」なんて吐き捨てて
涙目　見せないようにして
「今年も独りだ」とか言って
選択肢にわたし居なくて
じゃあ振り向かそうクリスマスに
でも　君のハート奪う前に

また君を笑顔にさせたい
想いが膨らみ　勝手に行動
怪盗サンタクロース誕生
今日は一夜限りの勢い任せで誘いませんか

穴場のイルミネーションコース
思ったより人で溢れた
事前調査が　甘かったかな？
サプライズも台無し
来年こそはロマンチック
ふたりで　寒空の下で
手袋　片方盗み
君の温もりを肌で感じたい

突然　思い立ったように
ふたりでハモった「Merry Christmas」
ニヤけた顔　見せられない
マフラー巻いて誤魔化した
サイレントナイトなんて言えない
ふたりは　笑い話ばかり
ガラスに映ったふたり
やっぱりカップルに見えない

深夜0時　聖夜が終わる
家々の　灯りも消える
雪の上に残った足跡は
一緒に過ごした　証拠（きせき）