窓の朝日に誘われて
伸びをしながら外を見る
今年も来たんだ魔女子さん
杖も箒も使わずに

街の景色は変わらない　　　　　
行き交う人は違うのに
これも全部あの人のせいだと
そう信じていたかった

甘い甘い春は
青い青い春と
一緒には訪れないから
一生懸命笑った
顔は何でこんなに
涙が流れてくのかな

３月の魔法にかけられて　　　
また一人と大人になってゆく
きっとここは通過点さ
もう最後だなんて言わないでよ
目に見えない魔法にかけられて
当たり前の日常は薄れてく
今日を過ぎたらさようなら
いつかまた、またいつか会いましょう


桜並木は鮮やかに
春の匂いを漂わせ
どこに行くのか魔女子さん
魔法の道具も使わずに

思い出せばそれだけ
溢れ出る想いがあるから
息が詰まるような気がして
わざと「何でもないと」
俯いてごまかした
本当は気づいていたのに

３月の魔法にかけられて
また少しと大人になってゆく
知らないままでいたかった
切ないって言葉の持つ意味を
声にならない魔法にかけられて
誰かの背中を追って進んでく
明日が来たらさようなら
またいつか、いつかまた

魔女が去ってもこの町は
何一つ変わらない
元気にしていますか
魔法にかけられた
たった一人の大切な人

３月の魔法にかけられて
また一人と大人になってゆく
きっとここは通過点さ
もう最後だなんて言わないから
目に見えない魔法にかけられて
新しい毎日を積み重ねてく
伝えずに飲み込んだ「さようなら」
いつかまた、またいつか逢いましょう