ピピピピッ

朝からなる電子音。これを目覚まし時計といいます。

本日は昨日とは異なり、６時３０分を指しております。

本日も晴れ。異常なし。

約束したもんね。また学校でって。

やっぱ寝坊するわけにはいかないでしょ？

「おはよう！お母さん！お父さん」

「あらリン。頭は？」

「大丈夫！スッキリ治ったよー」

「１日学校を休んだだけで他の人の勉強は一日分進んでいるんだからしっかり勉強しろよ」

また始まった。

私がお父さんの跡を継ぐわけでもないのに。

ただ、自分のプライドのために私を縛り付ける。

「はぁい」


＊


家を出て５分くらい歩くと。

「レン君？」

昨日と同じ場所でレン君が歩いてる。

ヘッドホンをつけているからか、なかなか気がつかない。

「レン君！」

「わっ」

間の抜けた声を出したレン君を私は笑った。

「あははは！レン君も驚くんだー」

「当たり前だろ人間なんだから///」

「わー照れてるーかわいー」

「うるせー」

「音楽好きなの？」

「まーな」

「わ、私も好きだよ！」

「ッ」

「どーしたの？」

「や？別に・・・」



＊



「リン！」

「グミ！おはよー」

「何のんきにおはよー言ってるの？女子に羨ましがられてるよー」

「何で？」

「鏡音君と登校したって！付き合ってんの？」

「そ、そんなわけ無いよ。友達なの」

「しかもクールな鏡音君が笑ってたって・・・！」

「なんにもないよー＞＜」

「リンももうそんなお年頃に・・・」

「違うってばぁ！」



＊



「リーンちゃん」

「あ！リント君！」

リント君とはメール友達で、結構仲良かったりする。

「今日さー俺親いないんだよねー」

「そーなの？」

「それでさー今日俺のために晩飯作ってくれる人募集しちゃってるんだけど．．．来ない？」

「いーよ！リント君と喋れるし！」

「親、大丈夫？」

「確か明日の昼まで二人ともいないよ！」

「泊まれる？」

「え、泊まっていいの？」

「じゃ、今日待ってるから」

「う、うん！ばいばい！」



リンは知らなかった。

「ゆっくり“晩御飯”食べてあげるよ」

リントがほくそ笑んでいたことを。