何処に居ても差別はある。
何年経っても無くならない。
形を変えて言葉を変えて、
胸ぐらを掴まれる。
復讐劇は終わらない。
百年経っても睨めっこ。
睨み合っても、互いにやってる事は同じ。
だから、いつまで経っても変わらないんだ。
勝手に比べられる辛さを、
私は誰よりも分かっている。
笑いのネタにされた憤りを、
私は誰よりも感じている。
侮辱されたあの日々は、
今でも鮮明に思い出せる。
狂ったように涙を流して、
そうやって生まれた憎しみがそれを物語る。
割り切ればいいのか?
仕方ないと諦めるか?
戦争が終わってからも、
アイツが悪いコイツが悪いと、
罪を擦り付けあって勝者が正義を語った。
その後の時代に生まれた子供達が、
言われのないことを言われ、迫害を受け、
そうやって育った中で自分が恨む側になり、
憎しみがやがて戦争の火種となった。
それだけじゃない。
子供の虐待とか、凶悪犯罪とか、
世の中が平和になっても不幸にする人間や不幸になる人間が必ずいて、
結局、どの時代でも終わらない悲劇ばかりを見る。
正義の元に、私たちは人を傷つける。
正義というのは、この世界で一番便利な言葉だ。
学ばないとかの問題じゃない。
これは、人間の本能なんだ。

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旅人書房と名無しの本(エメラルド)

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投稿日:2023/09/15 23:07:56

文字数:524文字

カテゴリ:小説

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