人を殺し 栄光を与えられ

主に従い 名誉を手に入れる

そして 自分まで殺した




我が仕えるは 赤の国旗を掲げる国家

主君は 赤い唇 瞳を持つ 誰もを魅了する 我が姫


我は姫の願いを叶えるべく 藍色のマントを翻し 愛馬にまたがり



殺戮ヲ犯シ 姫ノ願イヲ叶エル為二


姫は三日月の様に唇を歪め



これからも期待をしているわ


我が“夢を叶えるべき駒”-ナイト-


我は何を信じ 正義とは何だろうか

我が世界では殺戮でさえ栄光と讃えられる

それを覆せぬは我が弱み…

いっそのことココロ-自分が信じる道-ごとを殺してしまえ




姫が欲しがったのは 隣国との境にあるとされる 幻の塔に住む


“神聖なる双子”


全てを魅了し栄光を司る緑の聖女に使えるという

自らをこの世と思えぬほど鮮やかな金色(こんじき)の髪を持ち 稀なる双子の姉弟


姫は国中に命じ兵士を集め 我を先頭にし 命令を下した



私のために双子を連れてきなさい

そのためになら


犠牲ナンテ幾ライテモ構ワナイ
命ヲカケテ連レテキナサイ
国ノ為ニ 栄光ノ為二ソノ命ヲ捧ゲナサイ




愛馬にまたがり 幾千もの兵を従え 国を後にする


森を抜け 砂漠を越え

荊に囲まれた塔を目前に


隣国の鮮やかな桃色の国旗 紫の軍旗が見えた














迎え撃つ軍の先頭には 見慣れた紫の髪を靡かせる 見慣れた顔



我は戦わなければならぬ 相手が幼少の頃からの 親友であっても


我は藍色の軍旗を掲げ 兵に指揮を執り 突き進む


激しい刃のぶつかり合い 幾つもの絶命 我も幾つもの兵士をなぎ倒し 首をはね 相手の軍主に詰め寄り


刃を交える

違う国に離されなければ 互いに刃を向け合うこともなかったのに


戦場から兵士も消え 残るは幾千もの大地に突き刺さる刃 地にひれ伏す 幾千もの絶命した兵士

そして 佇む 二人


敵でありながら 親友でありながら 互いに意を決め 刃を向け



同時に互いの胸に刃を突き立て 命を絶った










これは悲しき旧友二人の物語

ライセンス

  • 非営利目的に限ります
  • この作品を改変しないで下さい

対照的な神聖なる双子

曲を聴きながらふと思い浮かんで書いたものです。

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投稿日:2010/02/22 21:42:00

文字数:924文字

カテゴリ:小説

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