僕は木を切る 木を切る
布を集めて縫い合わせる
帆を立てて船を出す 行き先はまだ未定
今あるのはただ、期待 淡い期待
見たい 夜が明けるその一瞬にいたい
頬いっぱいに朝日を受けたい
憧憬と後悔 波に揺れる僕らみたい
そういう事を紙に書き付けていく
紙の上だけ心が増えていく
この紙が僕だ 確信が満ちる うねりが満ちる
太陽が昇っては消える それでも変わらない景色と
無限に広がる青が僕を飲み込んでくれればなんて思う
消す 故郷を思い出す
しばらくして故郷など無かったことに気づく
いつまでもこの旅を続けることに気づく
単振動の日々 今日は快晴 南西の入道雲
総和 書いては改訂する
つまりは 記憶の齟齬 創り出す回顧の最中
それが仕事です 何になるかは知らないけど
不意に訪れる誰かとの別れとか
海の真ん中でこの船が沈むとか
絶望とかないし 乃至 漂うだけでいられたら
筆が止まれば たちまち忘れる
ここまで来て途方に暮れる
雨が降るみたいに 言葉が溢れる
溺れる その全てに僕がいる
ふと恐ろしくなる 机から離れて外に出る
その間も揺られてる僕の心 自然と隙間が出来る
必死に取り繕おうとする そうしてまた何か忘れている
五分前の世界 その前は?
その前は 何も言えなくなる
だから 僕は船を出す 何度も 何度も

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  • 非営利目的に限ります
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空白に小舟

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投稿日:2017/03/04 19:57:10

文字数:559文字

カテゴリ:歌詞

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