よう 誰もこちらを見向きもしない
試しに舌出して煽ってみようか
棘だらけの靴で蹴り飛ばした
吸い殻が側溝で散らばった
穴だらけの耳に聞こえる罵声
右から左に通過して
全部「それあなたの感想」で
済む話だって気づいてしまった

どうしようもない気分の日は
酒と薬を流し込んで
少しでも気持ちが上がったら
場末の店 身体に墨を刺し入れる
攻撃は最大の防御だって
虐げられた過去に学んだよ

首筋に浮かぶ黒龍と
舌に開けた15ゲージ
よう 誰も目を合わせもしない
排他的な民衆の背中に
中指を突き立てろ くそったれ
陰キャのままじゃ石投げて
荒れてしまえば背を向けて
悪いがお前らの望む『普通』には
なる気もなってやる気もないんだ


ようよう ご機嫌はいかがかね
飲み切った酒瓶を壁に投げつける
全部酒のせいにすれば
ぶつかった肩も無かったことになるか
いきり立つ踊る阿呆と野次馬が
やんややんやと騒ぎ立てるが
失うもんがない俺のほうが
加減も遠慮も何もない

なあ 針山みたいなこの姿
イカしてるだろ褒めてくれよ
刺さる視線と罵倒から
俺にとっては自分を守る
盾とか鎧とかそういうものが
爆弾だった ただそれだけだよ

体中に入れた茨の模様
眉根に刺した16ゲージ
よう 俺を見ろよここにいるぜ
机に飾られた菊の花瓶に
物入れに詰め込まれた濡れ雑巾
あの日の硝子がまだ胸に
刺さったまんまだ くそったれ
鼻を明かしてやりたいが
誰もこちらを見向きもしない


虫けらと呼ばれた俺には
五分の魂しかないらしい
叩かれて潰されるくらいなら
毒虫になって 侵してやれ
身体中に空いた穴
何かで埋めなきゃ空っぽで
軽すぎてここに立てもしない
全部 全部 お前らのせいだ



中指突き立てろ くそったれ
まだまだ 満たされてなんかない
誰かが奪って壊した責任を
お前が払ってくれよ 誰でもいいんだ
冷えた身体 力任せに殴った
拳だけ 人肌に触れて温かい


よう 誰もこちらを見向きもしない
ようよう ご機嫌はいかがかね
誰もこちらに来ないなら
俺からそちらに行ってやる

ライセンス

  • 非営利目的に限ります
  • この作品を改変しないで下さい
  • 作者の氏名を表示して下さい

五分の魂 2022ver.

昔書いた詩を初めて自分で改変してみました。
初期のものは2013年投稿になります。
そちらの2013年ver.は数日前にピアプロ内にて曲をつけてくださった方がいたので貼れそうならリンクを貼っておきますね。

だいぶ昔に比べて主人公がグレてしまった感はあります。

閲覧数:74

投稿日:2022/11/14 20:54:24

文字数:881文字

カテゴリ:歌詞

クリップボードにコピーしました