【A】
どうにも暑い日々に 浮き立つ蜃気楼の様
寂しさ 愛しさを 詰め込んだ夜の後

【B】
唇から胃の底まで おまえで満たしていた
“ 愛がいつもうつくしい ” など
誰かが決めたことでしかないのだと

おまえは言い
口付けてあやして盲、眩暈
当の思いは昏迷極めて
どうかしてるみたいなんだよ

【S】
縋る夜に射す暁
藍は尚、此処に在る
熱の擦れた爪先 通り風が二人を醒まし

美学より粋な文句で
おまえは其れを語ろうと
様ならぬ口付けが 暫し行方惑う


【A】
尊き残滓纏う
陽の当たらぬ窓辺に
愛した脱け殻を 丸めて捨て置くのさ

【B】
皮膚の端から脳髄までも おまえを感じていた
私の瞳も
おそれながら
おまえを愛したくて 憂いてみせた

この世界に叙情詩が 幾万あれども
きっとおまえを歌うことなく
そうさ 上澄みを掬うだけ

【S】
移ろいを知る暁、何が綻ぶでしょうか
一時のよろこびも
沈と褪めてしまうでしょうか

美学などさみしいから おまえがいなくちゃ駄目さ
現実を目隠して
然れど 燃えているか


【C】
嗚呼、おまえのことさ
どんな恋もうつくしく着るだろう
そのドレスは純白でいられますか

ともすれば
初めから、もう……

【S】
縋る夜に射す暁
愛は尚、此処に在る
熱の擦れた爪先 寂しさ愛しさをあおる

美学より粋な文句で
おまえが其れを語ろうと
手をかけた上澄みは 波立つまま零れ

然れど 燃えているさ

ライセンス

  • 非営利目的に限ります
  • この作品を改変しないで下さい
  • 作者の氏名を表示して下さい

然れど、おまえに叙情詩を【※】

「道を云はず 後を思はず 名を問はず ここに恋ひ恋ふ 君と我と見る」
といったところでしょうか。
考えてみると、「寄す処に見る夢」での「やわはだに触れて赤くなる」という表現も、与謝野晶子の短歌に影響された言葉ですね。

動的な愛を表現してみました。激情を、丸出しに。

タイトルは、「然れど、おまえに叙情詩を」。
「然れど 燃えているか」の歌詞が一番初めに浮かんだことと、当初は小説に似た歌詞に仕立てたかったことから、このようなタイトルが浮かびました。
言いたいこと(タイトル)を、単語などの一言で言いきれないところが、この歌詞らしいかなとも思います。

私としてはイメージはあるのですが、これが、
真摯に愛を求める姿でも、綻び始めた恋人たちの姿でも、あるいは背徳の姿でも、なんだっていいんだと思っています。どう映るのだろうという興味もありつつ。

※11/10 ひらがなのミスを発見したので更新しました。歌詞の変更はないです。

閲覧数:863

投稿日:2018/12/27 12:13:23

文字数:621文字

カテゴリ:歌詞

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  • 瀬良

    瀬良

    使わせてもらいました

    今回も素敵な歌詞を提供してくださってありがとうございました。
    ニコニコ動画に投稿しましたので報告します。
    https://www.nicovideo.jp/watch/sm34637097
    ここまでのご協力ありがとうございました。
    ご縁がありましたら、またよろしくお願いします。

    2019/02/15 20:44:53

    • ふぎ

      ふぎ

      瀬良さんこんにちは。こちらこそ、お声がけしてもらえて、とても嬉しかったです。

      また是非、ご縁がありましたらも思います。この度はありがとうございました。

      2019/02/16 17:06:51

  • 瀬良

    瀬良

    ご意見・ご感想

    こんばんは 瀬良です。
    このたびは歌詞をご提供いただきましてありがとうございました。
    ざっと歌詞を流し込んでみましたのでご確認願います。
    思うところがあって、一部にふぎさんのご指定から外れているところがありますが、そこらへんも含めてご意見をくだされば幸いです。

    完成までしばらくの間お付き合いくださいませ。
    よろしくお願いします。

    2018/11/11 20:18:27

    • ふぎ

      ふぎ

      瀬良さんこんにちは。ふぎです。
      早速打ち込んでくださり、ありがとうございます。

      後ほど時間を取って確認し、改めて返信しますね。こちらこそ、どうぞよろしくお願いいたします。

      2018/11/12 12:13:16

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