【DIRTY SKY】
a
それは星すら濁った夜
手慣れた頭痛を引き摺って
おかしいね、封じ込めてたはずの
熱を頬に感じた
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皮肉にも遠くから眺めた
日常はなんて単純で
おかしいな、眼(まなこ)が暈(ぼや)けるほど
街は奇麗に煌めくんだ
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痛みなんて、本音なんて
とうの昔に忘れてしまった
痺れた手で 靴を揃えた
丁寧に締め括られるだけの話
s
屋上(ここ)から見下ろした世界は
狭いフレームに閉じ込められて
齷齪(あくせく)と各々に目紛(めまぐる)しい
人集りは噎せ返って嘔き気がする
s
追い風が背中を叩いた
「まあまあ、急かすなんて野暮じゃないか」
いつ行くの?今逝くの?と囃し出す
嗚呼、君も嗤うのか 僕が融ける様を
a
始まった また静まり返る
部屋で突然嘶(いなな)く嗚咽
おかしいな、自己暗示 空(くう)を斬る
なんだ、ただの精神論か
b
感情のない、振りをしても
馴れ合いだけは羞恥(はじ)て躊躇って
見せようのない 愛-哀-の形は
誰も理解(わか)ってくれはしなかったからさ
s
冷たい夜風に当てられて
脆弱に疼くのは胸の奥
凄惨(せいさん)で散々(さんざん)な成らず者に
添い遂げるのは微々たる 蝋(ろう)の欠片
s
自分で設(しつら)えた舞台で
「さあさあ、止めるなら今しかないぞ」
何処で咲く?何処で散る?と他所様事(よそさまごと)
嗚呼、君も眠るのか 僕を攫う夜を
s
賑わいからは懸け離れた
静寂を許された夜 ひとり
淡々(たんたん)と眈々(たんたん)と狙う様に
白みかけた空は未だ 澱んだまま
s
効かない薬を踏みつけて
「そうそう、今日(こんにち)までお疲れ様」
怖いのか?憎いのか?愚問に呼応
嗚呼、気が済むまでさ 居座ってやろうか
嗚呼、他でもない
僕が望むんだ 僕の居ぬ明日(あす)を
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