『独り。』



漫画に出てくる和やかな家族
そんなもの、ただの妄想だと思っていた
ありえない。ありえない。
鼻で笑いながら、どこか胸の奥で涙を零さず泣いていた



年の離れたお兄ちゃん
「少しくらいは私と遊んで欲しいな」
そんな言葉を飲み込み
今日もまた、友達と遊ぶ姿を
ただただ遠くから眺めていた


髪の長い、優しいお母さん
大好きだけど、
一緒に手をつないで公園に行ったのは
ずいぶんと昔のこと
授業参観、来てくれたらうれしいな。
無理だよね。
いつもいつも、心の中で自問自答


仕事が忙しいお父さん
私達のために一生懸命働いているのは
わかってる。ちゃんとわかってるんだ。
でもね、もうすこし私にも向いて欲しいな
ねぇ、最後に会って話したのはいつの事でしたか?

ねぇ、
最後に家族全員でごはんを食べたのはいつだっけ?

思い出せない。
思いだせない。
オモイダセナイ……。



休日は独りでお留守番
それが当たり前
それが私の日常です
今日もまた、変わらない休日

友達がいないわけじゃない
でもね、一緒に遊ぶと悲しくなるんだ。
どうして。
どうして、友達(キミ)は家族に囲まれてるの?

どうして……?


胸にざわめく感情
それは悲しみというんだ
そんな感情を黒く塗りつぶし、
作り笑いでごまかした





家に帰れば、
耳が痛いほどの静けさが自分を包む
冷たいごはんを温めて食べる、それが日常(ふつう)なんだ
本を読み、宿題をして、録画したTVを見る
これが休日の過ごし方、これが私の過ごし方
そうやって、独りの時間を潰してきた。
これが普通(にちじょう)

シーンとした真夜中
慣れすぎて怖くもない暗闇
今日もまた、父さんも母さんも仕事で帰ってこない
お兄ちゃんは、友達の家だっけ?

これが普通なんだ。





独り、眠る。

そんな少女が見る夢は、
兄と遊び、母さんが料理をしてて、父さんが笑っている

そんな――――悪夢

絶対にありえないコト





ねぇ、家族全員でどこか遠くへ遊びに行きたいな。
一度だけでいいから。


「ねぇ、」

ライセンス

  • 非営利目的に限ります
  • この作品を改変しないで下さい
  • オリジナルライセンス

独り。

孤独な少女の小さな小さな叫び。

前回の改良(?)版です。

頑張ったけど、私、さっぱり才能ないね((笑

閲覧数:73

投稿日:2011/07/21 20:48:09

文字数:888文字

カテゴリ:歌詞

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