ゆり起こす 過大な手
注ぎこまれる 朝
肌の上 洗いながして
私に いきわたる
生ぬるい 無償の液体
根をおろした先は しろ
一枚隔ててきらめく 世界
心地ばかりがよくて いや
頑固な360°の そこ
与えられるだけの 口
どんなに 悔しがっても
透明に 退化した指先は
爪をかむことすら
かなわないの
ガラスごし たった一滴
私を染めた 元素すら
知り得ない 不運の湿潤
あこがれの蔓も伸ばせずに 壁
二枚隔ててあなたも いろ
継目をぬけるため息が すき
あらかじめの 生長
与えることをこわがる 足
おたがいさまね きっと
連理は 知識のまま枯れるでしょう
培養液に涙をたして
ふれたいの
鎖ゆく四肢の 青紫
立ちあがっても 手のなか
知りたくない 知りたいから
透明に 退化した指先で
夢の構成色数を
かぞえて
爪先立ちと ガーゼの柔らか
手をかけた鋭さに 怯む
ずらした蓋の 会い間から
初めてつながる 空気の冷たさ
遠かった痛みこそ いま
いとおしいの
コメント0
関連動画0
ご意見・ご感想