「カイト」
私は、隣にいるカイトに目をやった。
「何ですか? マスター」
「・・・夜明けって、なかなか見れないよね?」
「そんなの、当たり前ですよ」
私の言葉に、カイトは笑んで言った。
「そっか・・・」
なんだか嬉しくなって、私はカイトの左手に軽く触れる。そしたら、カイトは私の右手をぎゅっと握ってくれた。なんか、それだけただよかった。
太陽が昇る頃の、空の色合いは最高といってもいいかな。想い合ってる仲とはいえ、言葉は全く要らないという訳にもいかないので、私は言う。
「カイト、・・・起こしてくれてありがとね」
素直にありがとうとは言えないので、こういう言葉になる。
「・・・いえ、僕はマスターのことが好きですから」
どうやら、素直になれないのはお互い同じだったらしい。・・・少し照れくさかったので、カイトとつないでいる手を振りほどいてやろうかと一瞬思ったけど、やめておくことにした。
こんな展開になるのは、結構珍しいから。夜明けの空を眺めているだけで、こんなにも・・・。
「だめだ。続かないや」
私は苦笑いして、空に向けて言う。
「どうしたんですか?」
そんな私に、カイトは言った。
「僕とマスターは、ずっと、続きますよ?」
・・・お願いだから、そんな顔で言わないでよ。・・・手、今すぐにでも振りほどきたい。そう思って、ぶんぶん振ってたら、
「手、振りほどこうとしても、無駄ですよ」
って、妙に優しくカイトに言われた。
「むー・・・」
「そんなむくれないで下さい。僕、すっごく嬉しいんですよ。・・・何でだと思いますか?」
「私と一緒にいるから」
「ちがいます」
「夜明けの空、見てるから?」
「ちがいますね」
「・・・変なことを考えてる!」
「・・・ちがいますよ。・・・本当に、分からないんですか?」
「そうだね、分かんない」
「・・・今日が、僕とマスターが初めて手をつないだ日なんですよー!」
「えええっ!?? そうだったっけ?!」
「実は、手をつなぐってのは、ほとんどないんです」
「あー、ベタだから・・・」
「その分、抱きしめるってのは、結構の頻度でありました」
「・・・あ、手を絡めたのは、ちがうの?」
「あれはあれですから・・・」
そこまで言って、顔を赤らめるカイト。
「そっか。でも、とりあえず、そういう日なら、・・・時間が止まればいいのになー」
理想を思うだけじゃ物足りなくなって、口に出して言ってみる。
「・・・大丈夫です。この世界では何もかも過ぎ去りますが、向こうの世界では、・・・この世界を何度でも繰り返すことができます」
「そうだね。ある意味、理想通りだね。でも・・・、」
カイトと一緒にこの世界でずっと過ごしていたいっていうことは、言わずに、全てをつかさどる空を見上げた。
夜明けは早く、あっという間に朝が来ようとしていた・・・。
好きなので、夜明けの空を見に行った。 【マスターとカイト】
こんばんは、もごもご犬ですこんにちは!
さっき投稿した作品と共通するのは、ただ1つ。
いつもとちがう空気感です。
それを感じてもらえれば嬉しいです!><
これから、マスカイ及びカイマスは、当分書かないと思います。(極度に甘い感じの作品など)
ひと味ちがった雰囲気で、今年はいきたいと思います!←
次回は、まだ未定ですが、お楽しみに!^^
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