奈落ワンマンショー

陰る舞台で　揺れる手招き
おとぎ話の　ような夢現
両手上げても　許し乞うても
拍手は続く　奈落ワンマンショー

口元隠す　三日月の痣
晒し上げられ　時すでに遅し　　
焼き焦げた跡　ショートする回路　
サビつく回廊　ひょっとして迷子？

目覚めたころには　柵の中　　
口ずさめばそう　ラララのラ
背中に生えたる　糸吊られ
ドラムロールが鳴る

赤い赤い　カラクリ人形
懺悔のタップ　鳴らして
廻り廻る　時計仕掛けの
セリフなんて感情無し　
明かり灯る　幕が開けてく　　
踏んだステップに騙されて
これはもう滑稽 空笑い

休憩時間の　ブザーが響いて
溢れだすのは　とんだ袖時雨
拭いたが最後　 客席からは
声を荒げて　僕を罵る

逃げ場はどこにも　ありはしない
なら口ずさむよ　ラララのラ
過ちたちが列をなして
アンコールを叫ぶ

赤い赤い　カラクリ人形
あっけらかんと　澄まして　　　
病病　機械仕掛けの
ジルバなんて感情無し
変わり果てる　何度も何度も　　　　　　　　　
踏んだり蹴ったり叩かれて
止まらない喝采　馬鹿みたい

繰り返し続く　ナイトメア
口ずさめばそう　ラララのラ
奈落名物の　ワンマンショー　　　　
いっそ壊して

赤い赤い　カラクリ人形
懺悔のタップ　鳴らして
廻り廻る　時計仕掛けの
セリフなんて感情無し　
明かり落ちる　幕が下りてく　　
踏んだステップに騙されて
これはもう滑稽 空笑い