急に空が翳り始めたと思うとパラパラ音を立てて雨が降り出した。
「あら、雨ですか?奏先生。」
「その様ですね。」
「ユウならもう少しですからね~先生。」
「すみません、過保護で…。」
「いいえぇ~先生が居るとユウも気合入るみたいだし良いんですよぉ。」
マネージャーは背中をバシバシ叩くと含み笑いで戻って行った。
「…相変わらずあの子にご執心なのね?奏先生。」
「っ!!…相楽博士…?」
其処に居たのは余りにも意外な人だった。相楽桐子、父さんの同僚の娘で【MEM】研究部に居る筈の彼女が何故…?
「そう警戒しないでよ、貴方に聞きたい事があるの。」
「何でしょうか?」
「BSの治療薬…出して貰えるかしら?」
「知りませんね。」
「うふふふふ…そう言うと思ったわ。でも、私も引き下がれないのよね…。」
相楽桐子は楽しそうな笑顔を見せるとドアの方を顎で差した。
「―っ?!スズッ…!」
「動かないで。」
「…彼女を放せ…。」
「そんなに大事なの?こんなBSの貧弱な子が…。」
「スズミに触るな!」
「可愛い彼女が大事ならさっさと治療薬を渡して貰いましょうか?先生。」
冗談の様に頭に銃口を突きつけた。スズミは気を失っているのか黒ずくめの男に抱えられたまま目を開けない。全身の血が凍った様に考えが纏まらない。言葉すら出て来ない。
「まぁ良いわ、2人を連れて行って。」
「はい。」
桐子は俺達を車に押し込むと雨の中車を走らせた…。
BeastSyndrome -84.壊す者-
ああああああ!!(TДT )
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