2人でお茶を飲んでいる、この店で、店長をしはじめると言う、テトさん。
おだやかなBGMが流れる、気持ちのいいレストラン、「カフェ・ドナ」だ。

「え、このお店の?」
不意の言葉に、ミクさんはちょっとびっくりした。

「まだ、日取りとか、はっきり決まってはいないんだけど。」
テトさんは、答えた。
「この秋くらいからかなあ」

問いかけるミクさん。
「でも、あなたのいまやっているお店は? 「カフェ・つんでれ」はどうするの」

彼女はちょっと笑みを浮かべて、うなずいた。
「うん...。それは、こんどゆっくり教えるよ」


●お店にコーナーを...

そのことを詳しく説明したがらないので、ミクさんも深くは聞かないでおいた。

「それで、このお店で、ちょっとしたことを始めたいの」
テトさんは、話を続ける。
「ここにね、“絵本カフェ”のコーナーを、作りたいの」

「絵本カフェ?」
ミクさんは、目を大きく見開いた。
「うん。お店のひと隅で、絵本を読みながら、お茶ができるの」

「へえ、素敵ね」
思わず、身を乗り出す。

「でしょ?それで、私、思ったんだけど」
テトさんは、ニッコリと笑って、人差し指を立てる。
「ここで、大人の人もゆっくりと楽しめるような、“大人向けの絵本”。そんな本が、あればいいな、と思ったのよ」


●波長がピッタシ!

その言葉を聞いて、ミクさんは大きく、うなずいた。
「そのアイデア、すっごく面白い」
彼女の目は、きらきらと輝いた。

「まさか、テトちゃんがここの店長をするとは、思わなかったけど、でもね」
彼女も、テンションが高くなりはじめた。
「私が作りたいと思ってる絵本と、方向性がなんだか一致しそうね」

テトさんも、目を大きくして聞き返す。
「やっぱり、“大人向けの絵本”?」

「そう。そーなのよ。目指してるのは、大人向け!。 私たち、波長がピッタシだね」
うれしそうに言う、ミクさん。

「ねえ。気が合うよね。でも、不思議だよね。あたしら、気持ちはいつまでも、子どもっぽいのにね~」
そう言って、テトさんはけらけら笑う。

笑いながらも、ちょっと口を引き締めるミクさん。
「その一言は、ちょっと余計だけどね」ヾ(ーー )ォィ

ライセンス

  • 非営利目的に限ります
  • この作品を改変しないで下さい
  • 作者の氏名を表示して下さい

玩具屋カイくんの販売日誌(295)  新しい絵本 & 新しいコーナー!

大人向けの絵本を作りたいという、ミクさん。気の合う2人の計画は、いかに?

閲覧数:61

投稿日:2017/08/11 23:08:33

文字数:932文字

カテゴリ:小説

オススメ作品

クリップボードにコピーしました