<Dear My Friends!第2期 第27話 試作ギア・アイボー>

(ヤマト国 オーエド地区 セントラル区 ニホンバーシホンチョー方面 シュトコー跡)

キョウ:オラオラオラ!!!!!!! カトンボ、墜ちろぉ!
アイボー:無人ギア10機ロックオン。ホーミング波動レーザー、発射します
キョウ:頼むぜ!
アイボー:発射

 そのアイボーの音声の後、瞬時にキョウの両手に装着され、キョウの頭上に高々と掲げられた、合計10門の”波動レーザー発射砲”から、一斉に青色に輝く”ホーミング波動レーザー”が飛び出し、無人ギア10機をそれぞれ”追尾”する形の”青色の帯”を残しながら、波動レーザー頭部が猛進し、そして、10機の無人ギアは、あっという間に”撃ち落とされてしまった”のでした。

テイマー側兵士A:な、なんだ、あれ!?
テイマー側兵士B:装着型のギア部分はUTAU側って識別できるが、テイマー・・だと思う、あいつの識別が出来ん!

 そんなことを言っている暇を与えないほど、今のキョウのテンションは、ハイ!ハイ!ハイ! でした。

キョウ:おぅ! 兵士ども! おめー達は、逃がすだけでジューブンだ! ザギンのベースにでも帰って、ナオン指揮官にでも泣きつきな!!!!!
アイボー:テイマー側兵士、15名確認。足下10cm手前に、軽度波動レーザーを着弾させます
キョウ:頼むぜ! 相棒!
アイボー:御意

 その音声の刹那、今度は兵士達に向けられた、右手1門だけから、小型の弱めのホーミング波動レーザー15発が、拡散された形で発射され、一カ所に固まっていた兵士達のそれぞれの足下の手前、”10cm”、に着弾し、地面を黒々を焦がしてしまった。

テイマー側現場指揮官:ひぃ! て、撤退! 撤退! とんでもない新手だ! ザギンベースまで撤退し、チンシャン様に報告!

 そういうと、ターゲットだった兵士達を含め、その近辺の兵士、および、ギアを操っていたテイマーも含めて、全員がザギン側、つまりテル達がシュトコー跡に入ってきた入り口方面に、そそくさと撤退していったのでした。

キョウ:はっ!はっ! はっ! はぁーーーーーーーー、すっきりしたぁ!!!!!
アイボー:キョウ、お疲れ様でした。とりあえず、近辺エリア、グリーンです
キョウ:ありがとよ、相棒!

(その近辺のシュトコー跡、路上)

ルカ姫:・・・・・・・・・・絶好調だね、カレ・・・・・・
イア:わ、我が世の春が来たぁ! っんじゃないの、たぶん・・・・・・・・・・・・・
テル:想像以上だな、キョウ君と、ギア・・・・・
イグゾウ:うん、うん。我が息子のアイボー君、調子いいじゃないのぉ、嬉しいなぁ

デフォ子、モモ、ユフ:わ、私たちUTAUギア部隊の出番・・・・・・・無い・・・・・・・
ルコ:私の指揮、必要ないな、こりゃ・・・・・・・

アペンド:あ、いや、その、嬉しいんだけど、なんなの? あの強さ?
レン:そだね・・・・・
リン:相性抜群・・・・なんだよ、たぶん・・・・・・
学歩:いや、それだけではないでござる。イグゾウ殿、彼が着ているギア、相当重いんでござろう?
イグゾウ:あ! 全員に言い忘れてた! あれ、全部で500kg近くあるんだ。重すぎて誰も着られなかったから、正式ロールアウト出来なかったんだよ
りおん:あちしなら、着られたのだ
めぐみ:・・・・あれ? ”全員に”って、まさか彼にも・・・・・・・
イグゾウ:ああ、だって彼、見せた後、軽々と装着しちゃったから、言う機会が無くて・・・・・

イグゾウ以外全員:・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

イグゾウ:ま、まぁ、結果オーライだ! 良かったじゃねえか、なぁ!
テル、ゆうま:は、はぁ
ミズキ:い、いいのかなぁ、そんなんで・・・・・・・

***

 さて、ここで改めて、時間を3時間遡る事にする。

(ヤマト国 オーエド地区 セントラル区 ニンギョーチョウ ギア整備工場“カガ”)

 誕生したばかりなのに、早速、キョウがイグゾウ技師に頼み事をしたのでした。

キョウ:イグゾウさん、俺のギア、なんか余ってる?
イグゾウ:え? ああ、そこら辺に転がっているのを修理すれば、結構あるけど・・・・
キョウ:・・・・・

 瞬間的にキョウとイグゾウさんの間に、沈黙が生まれたのでした。が、すぐ後、イグゾウさんがニタッと笑って、キョウに提案したのでした。

イグゾウ:・・・・それじゃ、やだろ?
キョウ:(ニッ!)

イグゾウ:ふっ、皆さん、キョウをちょっと借りますよ。事情で二人だけの方がいいと思いますので

 二人の語らずとも良い会話だったが、一応確認したらしい。イグゾウは、会議室から出た後の、ここドック内の”ある整備室”に目線を移し、そしてキョウだけに手招きをした後、イグゾウとキョウだけで、”その整備室”、へ移動したのでした。その整備室のドアの上にかかっていた札には、こう書かれていました。

『試作ギア 試験整備室 関係者以外立ち入り禁止』

***

(ヤマト国 オーエド地区 セントラル区 ニンギョーチョウ ギア整備工場“カガ”内 『試作ギア 試験整備室』)

 目の前に、多数のランプや光るセンサー、多数の砲門等などが、一カ所のユニットに纏まって、上から鎖でつるされ、分厚い金属の”試験評価テーブル”の上に置かれている、ある”装着型ギア”が置かれてました。

イグゾウ:『試作ギア GX-0アイボー』だ。あ、”アイボー”って、”相棒”、から名付けたんだ。カッコイイだろう。破壊した向こうのギアを解体して研究し、うちのヤマト魂と技術を集結させた、うちの秘密兵器だ

その説明の途中から、すでにキョウはテーブルに向かっていました。そして、イグゾウ技師の話が終わる頃、鎖のロックを外しはじめ、全部のロックが外れると、ズシッとした音とともに、そのギアの全重量がテーブルにかかる感触が空気を通して伝わったのでした。

 そして、ちょっと前に、装着型ギア”マージ”で酷い目にあったばかりのキョウだったが、最初に一言つけた後、こう、”そのギア”に語りかけました。

キョウ:ったく、俺はつくづく装着型に縁があるな・・・まぁいいや。よぅ、アイボー、センサーとか光っているわけだから、もう起きてるんだろ?

 すると、まるで呼応したように、”そのギア”から、音声が聞こえてきました。

アイボー:”初めてのマスター挑戦者”は、あなたですね? こんにちは、GX-0アイボーです。コンゴトモヨロシク
キョウ:”挑戦者”? あぁ、よろしく。んじゃ、早速着るから、展開してくれ
アイボー:了解

 すると、一塊だった”ギアであるユニット”が、次々と、それぞれの、”武装防具ユニット”、に展開していって、後ろから背負う感じで装着できる形に変形していったのでした。

 そして、頭部に当たる”ヘッドユニット”の赤色センサーの横にある”内部スピーカー”から、今度は出所がはっきりする形で、アイボーの声が聞こえてきたのでした。

アイボー:挑戦者さん、装着準備完了です。着られる物なら、着てみてくださいませ
キョウ:おっ! ギアの割に挑戦的だな? そういうセンス、嫌いじゃないぜ♪ おぅ、着てやるぜ!

 すると、イグゾウ技師が、慌てて何か言おうとしたが、その声は発することなく終わってしまったのでした。

 ガチャッ!

 キョウは軽々と、その装着型としては大きめになるギアを背負い、そして、アイボーが自動的に”胸部ロック装甲板”を展開し、そして、完全にキョウを、”鎧”のように包み込んだのでした。

アイボー:やりますね、合格したのは、あなたが初めてですよ
キョウ:そっか、なんだ、挑戦した奴、全員ヘタレなんだなぁ、しょーがねーなー
アイボー:では、改めまして、マスター、こんにちは。これからあなたと共に戦う”相棒”のアイボーです。ヨロシク
キョウ:マスターはやめようぜ。”キョウ”でいいよ
アイボー:それでは、私のことは、相棒、でお願いします。あんまり”コードネーム”で呼ばれるの、好きではないので
キョウ:おめー、面白れーやつだな! 気に入った! ヨロシクな、”相棒”!
アイボー:感謝します

 その横で、冷や汗をかいて、呆然として立ち尽くしている、イグゾウがいたのでした。

イグゾウ:・・・・・ま、まぁいいや。テイマー側のギア、扱っているんだから、さすが手慣れているなぁ。心強い!

 しかし、全重量がのし掛かった”分厚い金属の試験評価テーブル”は、相当レベルでひしゃげていたのでした。そうならないために、何本もの堅い鎖で上から吊して、緩和していたのに・・・・・・・。

キョウ:んじゃ、みんなに紹介するとするか! 俺の晴れ姿と、相棒をな!
アイボー:仲間の皆さんにも、ご挨拶したいですね。私、ここから出たこと、ないですから
キョウ:行くぜ!

 そういうと、軽い足取りで、大きめに作られている整備室のドアを開け、皆の所に挨拶に行ったのでした。その後を、あごに手を置いてすりすりしながら、満足そうな顔をして、イグゾウ技師がドアに向かって歩いて行ったのでした。

イグゾウ:こりゃ、面白くなってきたぞ、技師魂がうずうずするぞ! 何年ぶりかなぁ、こんな気持ちになるのは・・・・・

 そういうとしばし立ち止まり、部屋の天井を眺めて、こうつぶやいたのでした。

イグゾウ:・・・・ユキ・・・・ミナト・・・・とうちゃん、やっと敵がとれそうだ・・・・そこから、しっかりと観ててくれよ・・・・

 こうして、イグゾウ技師が退出した後は、整備室の部屋は固く閉じられ、再び真っ暗に戻ったのでした。

(続く)

CAST

イア:IA-ARIA ON THE PLANETES-
ルカ姫:巡音ルカ
魔導師アペンド:初音ミクAppend
魔導師テル:氷山キヨテル
僧侶リン:鏡音リン
勇者レン:鏡音レン

異国の剣士 神威学歩:神威がくぽ
裁判官 勇気めぐみ:GUMI

ヤマト国からの旅人三人組
瑞樹(ミズキ):VY1
勇馬(ゆうま):VY2
兎眠りおん(りおん):兎眠りおん

ミゥ:Mew

欲音ルコ(ルコ):欲音ルコ

唄音ウタ(デフォ子):唄音ウタ
桃音モモ(モモ):桃音モモ
雪歌ユフ(ユフ):雪歌ユフ

義 井具蔵(ヨシ イグゾウ)(イグゾウ):某演歌歌手

ゾラ・キョウ(キョウ)=生まれ変わったルォ:ZOLA PROJECT (KYO)

チンシャン:某女性中華ボカロ
マカ:某少年中華ボカロ
ティエンイ:某女性中華ボカロ(ルォの姉(こちらが本家“ルォ・ティエンイ”で、女性中華ボカロになります))

その他:エキストラの皆さん

***

補足:イグゾウ技師の亡きご家族のお名前は、元ネタの方の曲名を参考にさせて頂きました。知りたい方は、各自ググッてみてくださいね♪

ライセンス

  • 非営利目的に限ります
  • この作品を改変しないで下さい
  • 作者の氏名を表示して下さい

Dear My Friends!第2期 第27話 試作ギア・アイボー

☆皆さん、ご無沙汰してました。すみませんです。

☆オリジナル作品第16弾である、「Dear My Friends!第2期」の第27話です。

☆今回から、『反撃編』、です(タイトルには記載しませんでした)。

☆新しい仲間、キョウ(ルォ)、凄い快進撃ですね~。楽しみです。

☆冒頭の場所などの展開の説明=ブリーフィング回は、次回に送ることにします。今回はアイボーとの接触編です。

***

私がここに投稿したボカロ小説のシリーズ目次の第1回目です。第1作目の“きのこ研究所”~第8作目の“部室棟”+番外編1作目です。
作品目次(2009/12/25時点):http://piapro.jp/t/5Qsh

同じく、目次の第2回目です。第9作目“鏡音伝”~第15作目“ルカの受難”の途中までです。
作品目次(2010年1月6日~2012年2月7日):http://piapro.jp/t/9GY1

更に、完結した『Dear My Friends! ルカの受難』のみの目次も作りました。
作品目次(Dear My Friends! ルカの受難):http://piapro.jp/t/qj6A

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投稿日:2014/05/13 15:53:50

文字数:4,501文字

カテゴリ:小説

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  • オレアリア

    オレアリア

    ご意見・ご感想

    enarinさん、ご無沙汰しております!
    本当に何ヵ月ぶりでしょうか…ディアフレの新作も勿論ですが、作者のenarinさんが戻って来られるのを待っていました!
    もっとも、自分もピアプロから失踪していたに等しい状態だったのですが(笑)

    さてさて、今回はルォ改めキョウとして復活した彼のメイン回、もとい無双回でしたねw
    圧倒的…戦闘力っ…!

    あれだけ苦戦を強いられていたテイマー側のギアを撤退に追い込むあたり、キョウとアイボーのコンビネーションは唯一無二のものだということが窺い知れます。キョウのポテンシャルも、さすが元テイマーの刺客であっただけに素晴らしいものですね。
    でもゴリ押しに見えたのは、きっと気のせい(ry

    「反撃編」に入ったということもあり、ここから非テイマー緊急戦術軍のターンに入るわけですね…しかし「ザギンベース」にいると思われるテイマーの司令官・チンシャンが如何ほどの人物なのか。その能力は恐らく、ルォ以上だということは感じられるのですが、まだ謎がゆえに暗雲晴れません。これからの戦いが山場ですね。

    ふと思ったのですが、ルォ(キョウ)は性格的に戦いへ生き甲斐を求める、血の気が多いやつだとは思うのですが、結構あっさりとテイマーからUTAU側へ寝返りましたね。一度死んだ身とはいえ、何か理由があるのでしょうか。気になるところです。

    次回も楽しみにしていますね!
    enarinさんに、このまま落ち着く日々が続くことを祈っています。


    追伸:僕のテキストの方に、メッセージを寄せて下さってありがとうございます! 未だにお返事ができていなくて、申し訳ありません。

    2014/05/13 21:41:34

    • enarin

      enarin

      オレアリア様、お久しぶりです。約4ヶ月ぶりに、ただいまです!

      > 作者のenarinさんが戻って来られるのを待っていました!

      ありがとうございます! 色々あった後なので、そのお言葉、とっても嬉しいです!

      > もとい無双回でしたねw 圧倒的…戦闘力っ…!

      元々、テイマーの刺客であり、戦闘力そのものはとても高いので、今回は注目を集めるためと、久々の投稿って事もあるので、

      『とにかく派手派手にして、目立たせる』

      事にしました。なんで、かなーり、大雑把でゴリ押しな戦闘になりましたが、まぁ、テイマー側もそんな簡単に降参するわけではないので、今回だけですね

      > ここからUTAUのターンに入るわけですね

      UTAUと協力したテル達のターンですね。あと、今回の本文の通り、イグゾウ技師も仲間に入りますので、彼の”家族の復讐”も入ります。

      > チンシャン

      ギア『サーチ』を操る、指揮官レベルのテイマーで、元ルォの上司です。サーチは名前の通り”検索、調査する”能力ギアですが、どうやら”隠し持っている能力”もあるようで…

      > 結構あっさりとテイマーからUTAU側へ寝返りましたね。一度死んだ身とはいえ、何か理由があるのでしょうか

      ヒントは、ルォ時代、ギア”マージ”をチンシャンから与えられた時の会話にあります。彼には優秀な姉”ティエンイ”(ギア:ニューファイル)がいて、色々私怨あるようですね。

      それだけでなく、自分を喰わせるためだけにマージを与えた、上層部にかなりの恨みを持った上でキョウに生まれ変わっているので、それも原因の1つだと思います。

      ここら辺は、キョウvsチンシャン戦で、詳しく記載しますね。

      > 次回も楽しみにしていますね!

      ありがとうございます! とっても励みになります!

      > 落ち着く日々が続くことを祈っています

      感謝です! そう願いたい物です

      次回もシナリオできあがっているので、できる限り熱いうちに執筆したいと思います。

      今回もご閲読、コメント、ブクマ、誠にありがとうございます!

      2014/05/14 18:06:06

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