※警告という名の諸注意、やっちゃったよセルフパロ

・帯人×女性マスター(篠武)
・カイトは出てきません
・妄想による世界観、しかも本家よりダーク。
・オリキャラ満載(オリキャラは名前・設定ともにシャングリラと同じ・若干性格は変わっている場合もあり)
・帯人はアンドロイド・機械的な扱い、表現を含む
・女性マスターの一人称が『オレ』

※ここ大事※
 多分いないとは思いますが…万が一、本家シャングリラを少しでも気に入ってくださっている方がおりましたら、今すぐ全力で引き返してください!本家シャングリラとは一切関係ありません。悪いのは全面的に私ですorz

恐らくツッコミ処満載ですが、エンターテーメントとして軽く流して楽しんで頂けると幸いです

上記が許せる方は、自己責任で本編へどうぞ




☆☆☆☆☆☆☆




4.

SIED・MASATAKA


「ふーん、大変なんだねぇ」

僕の話を一通り聞いて、篠ちゃんが退屈そうに伸びをする。

「大変なんてもんじゃないよ、下手すれば施設丸ごとオシャカだ…まさか、研究員の中に産業スパイがいたなんて、」

僕の勤めている研究施設は、所長が私設したもので、ありとあらゆる世界の最先端科学技術を研究開発するところだ。

所長・五十嵐加奈は、現在世界経済の半分以上を裏で占めている、とある財閥企業の一族なのだけど…。今はわけあって、その一族本家とは絶縁状態。この施設を中心に、いくつもの会社を一人で手掛けている。なかなかのやり手だ。
でも、だからこそ人を見る目は人一倍あるはずなのに。

「よりによって、僕の部署で、なんて…ああああああああ、」

「…まぁ、お前のせいじゃねーよ、」

思わず頭を抱えて突っ伏すと、珍しく篠ちゃんが優しく声をかけてくれた。

彼女は木崎篠武、何でも所長が十年以上前に何処からか連れてきた養女らしい、詳しいことはわからないけど。

でも、さっぱりした性格と、どっちかと言えば男の子っぽい言動で、僕としては付き合いやすくて助かっている。あ、友人的な意味でね。
どうも女性は苦手で、会話もろくにできないけど、彼女とはすぐに打ち解けて結構いい関係になっていると思う。あ、友人的な意味でね、大事なことだから二回言っとくけど。




「で、まー君とこの部署って、何研究してたの?」

「うん、とある企業の依頼でね、アプリケーションソフト『VOCALOID・KAITO』の販促を目的としたアンドロイドの研究開発してたんだ。キャンペーン・イメージロイド、みたいなさ、」

「へぇ、アンドロイドかぁ。加奈さんの研究施設なら、きっと本当に凄いのが創れるんだろうなぁ…って、まさか…、」

そう、そのまさか。

さすが篠ちゃん、感がいいな。


「…篠ちゃんにもわかりやすく言うとね、そのアンドロイドを作るためのレシピっていうか、設計図っていうか…あとね、僕らチームが二年越しに開発した中身に関するデータも全部…、」

「根こそぎやられたのか…(汗)」

しかも、バックアップは全部破壊されていた。セキュリティだって何重にもして万全だったはずなのに…ダメだ、もう僕は死ぬしかない…。

「ほら、とりあえず顔あげろよ、泣いてたってしょうがないだろ?」

「ううう…、数時間前に所長から連絡もらって、調べてみたらこのありさまで…、それまで全然気づかなくて、」

自分の不甲斐なさに、我慢できずに泣いてしまった僕を、篠ちゃんが優しく抱きしめてくれる。あ、結構胸あるんだ…。

「あーはいはい、よしよし泣くな、泣くな。で、加奈さんは何て?」

「…産業スパイの巣を探すから、篠ちゃんところで待機って…、」

どうして彼女の元へ行けなんて言ったのかはわからないけど、面目丸つぶれの僕は従うしかない。

僕は篠ちゃんの柔らかい胸で咽び泣きながら、所長からの指示を待つしかなかった。




5.

SIED・???


あれから覚醒を果たしたぼくは、毎日周囲にいる人間たちに、身体中あちこち弄り回されて、たくさんのコードに繋がれ『検査』や『実験』を繰り返されている。

中には痛みを伴うものや、不快なものもあるから、ぼくはそれがとても嫌でたまらなかった。

しかも、人間たちは出てくる結果を見て、ぼくを見て、とても嫌そうな顔して首を振る。理由はわからないけど、多分思ったような良い結果ではないんだろう。


毎日毎日、嫌で嫌で、ある日ぼくは抵抗した。


ぼくに触ろうとする人間の手を振り払い、乗せられた寝台から降りようとした。
その途端、周囲を取り囲む人間たちに押さえつけられ、何かビリビリする痛いものを押し当てられ、針で液体を流し込まれた。

遠くなる意識の中、いつまでこんなことが続くのか、早く終わればいいのにと、ただそればかり考えていた。




6.

SIED・SINOBU


「あれだよね、オレ思うんだけど…世界中の誰よりも、加奈さんだけは敵に回しちゃいけないよね、」

正隆さんが来て二時間後、既に産業スパイを送り込んできた企業を突き止めたと連絡が入った。

さっすが加奈さん、またえげつないことしたんだろうな。


「…所長って、本当に何者なんだろう、」

「そこは追及しないほうがいいよ?さーて、じゃあ行くとしますか、」

オレはクローゼットから鞄を出すと、必要最低限の荷物を纏める。加奈さんが正隆さんをここに寄越したってことは、ヤルことは一つしかない。


「行くって、…何処へ?」

「んー?ヤラれたらヤリ返す、完膚なきまでにぶっ潰す、それが加奈さんの信条なんだってさ。だから、滅多にないけどたまにお手伝いしてんの、」

今回は身内から裏切り者が出たってことは、こっちの手の内がほぼバレてると考えられる。

だからこそ、オレが抜擢されたんだろうな。…オレは加奈さんの秘密兵器だから。


「…篠ちゃんって、何者なの?」

「そこも追及しないほうがいいよー。で、今回盗まれたもののデータやらなんやらの解析は、一番よく知ってるまー君が担当してね、」

「僕も行くの!?」

何言ってんだ、当たり前だろうが。

オレは驚いている正隆さんの頭を軽く叩くと、玄関へと向かった。



続く

ライセンス

  • 非営利目的に限ります
  • この作品を改変しないで下さい
  • 作者の氏名を表示して下さい

※亜種注意※Lost.Eden//叶わなかったシャングリラ【帯マス】第二話

帯っちゃんごめんよ、もう少し耐えておくれorz
あと、なんか篠武さんが生き生きしてないか(汗)
ちょっともう本家の原型ないな、…いや、むしろそれでいいんですけどね!

閲覧数:36

投稿日:2016/09/17 02:17:18

文字数:2,576文字

カテゴリ:小説

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