「きょ~お~のご~はん~は何~だ~ろな~♪カレーライスにハンバーグ~
こんがりピッツァが…きゃあっ?!」
「痛たたた…ごめんなさい!木徒ちゃん!」
「香玖夜さん。ど、どうしたの?!そんな痛かった?!」
「う、うん、違うの、ご、ごめんなさい…!」

違うのって言う割には涙ボロボロ零れてるんだけど…。

「香玖夜。」
「あれ?…まさか詩羽さんが泣かしたの?!」
「俺じゃねぇよ…羽鉦だ。」
「羽鉦さんが?何か意外~、フェミニストっぽいのにね。」
「違うの、違うんです!わ、私が押し掛けて迷惑掛けてるだけで!」

確かに非常識だとは思ったけど、16歳で40歳のおっさんと結婚、なんて誰だって嫌だと思う。

「ねぇ、詩羽さん…何とか出来ないかなぁ?幾ら何でも香玖夜さん可哀想だよ。」
「出来るには出来るんだけど…俺が助けてもねぇ。まぁ、最終的にどうにもなら
 なかったら俺がやるけど、それだと俺が香玖夜と結婚する事になり兼ねないし。」
「えっ?!」
「それじゃ嫌でしょ?」

少し意地悪気味の笑顔で詩羽さんはこっちを見遣る。こ、この人判ってやってる!絶対!と、いきなり携帯の音が響いた。

「もしもし…?お母さん…?あ…うん…え?!う、うん!判った!」
「?どしたの?」
「お…お父さんが倒れたって…!」
「えぇ?!」
「丁度良いじゃないか、そのまま実家帰れ。」
「!…羽鉦さ…!」
「迷惑なんだよ。」
「ちょ…羽鉦さん酷い!元々羽鉦さんが連れて来たんじゃない!」
「あの!…わ、私…私帰ります…ね。今迄本当にお世話になりました!」
「香玖夜さん!」

泣きそうな顔で走り去る香玖夜さんに背を向けて、羽鉦さんもツカツカと歩いて行ってしまった。私は堪らずその背中を思いっ切り蹴り付けた。

「痛っ…て…!」
「バカ!人でなし!中途半端!鬼悪魔!女の敵!もう良い!詩羽さんが香玖夜
 さん助けてあげて!」
「えっ?」
「こんな冷血人間じゃ香玖夜さんが可哀想だよ!」

最低!あんな言い方しなくても良いじゃない!自分が助けたくせに面倒になると放り出すなんて…!釣った魚にエサやらない人だったんだ!ああ、もうイライラする~~~!!

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  • 非営利目的に限ります
  • この作品を改変しないで下さい

BeastSyndrome -73.ゼブラキック-

シマウマの本気の蹴りは人の骨を粉々にします。

閲覧数:108

投稿日:2010/06/23 17:54:52

文字数:910文字

カテゴリ:小説

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