リン「飛べない小鳥にとって大空は残酷だよね」
レン「でも、こうも言えるんじゃない?大空は小鳥に夢を与える」
リン「残酷にも夢にもなる、か」
レン「リン・・・何かあった?」
リン「レンはよく平気だよね。マスターが死んだっていうのに」
レン「平気なわけないよ。でも明るく振る舞ってなきゃ」
リン「誰も私たちを買ってくれない」




シーンⅠ、出会い


SE   ドアの開く音カランカラーン

店主「いらっしゃいませー!って、またボーカロイドか。
   君たちも売られに来たのかい?」
リン「(不機嫌そうに)またって・・・」
レン「(リンを制しながら)はい」
店主「最近はボーカロイドブームも去ったからねえ。売れ残りが大量に出てるんだ。だから君たちを商品としてこの店で売ることはできない。申し訳ないけど他をあたってくれないか」
リン「・・・」
レン「・・・」
店主「歌う以外の技術を身につけないと誰も君たちを買ってくれないと思うよ」
リン「・・・人間て勝手な生き物なのね。ブームの時はあんなにも引く手あまただったのに」
店主「人間なんてそんなものさ。私も含めてね」
レン「この町にある他のボーカロイド販売店はどこですか?」
店主「100メートル西に行ったところにある、赤い屋根のログハウス。
   この町にはこことそこしかボーカロイド販売店はないよ」
レン「ありがとうございました」
店主「じゃあね」

SE  ドアの閉まる音カランカラン

リン「次の店でも売ってくれなかったら私たちどうなっちゃうんだろう」
レン「きっと、売れるよ」
リン「マスターがくれたお金もあと120円しか残ってないんだよ・・?」
レン「きっと、売れるよ。」

リン「あ。向こうからルカが歩いてくる」
レン「ほんとだ。巡音ルカさーんっ」
ルカ「・・あなたたち、鏡音リン、レンじゃない」
リン「私、ルカさんとしゃべるのはじめて!!わあっ、グラマラスなお姉さまだ!!」
ルカ「あなただって私くらいの歳になったら立派に成長してるわよ、ふふっ」
リン「レン、きいた!?私の胸、ちゃんと大きくなるって!!」
レン「はいはい良かったね」

SE リンがレンを殴る音

レン「痛っ・・・」
リン「私の胸の話をないがしろにするからだよ!」
ルカ「あなたたち・・鏡音シリーズの中でも面白い二人組ね」
レン「なんでルカさんはこんなところを一人で歩いてるんですか?
   マスターは?」
ルカ「お前なんかもういらないって捨てられたの」
リン「で、でも!巡音ルカは英語も歌えるし人気ボカロじゃないですか!」
ルカ「それでも所詮私たちはボーカロイドだから。ただの機械だから。マスターはボーカルの人間に出会って満足したのよ。だから私はもう必要ない」
レン「そんな・・・」
ルカ「さっき、あの赤い屋根のログハウスに行ってきたんだけどね」
リン「!!」
ルカ「もうボーカロイドは在庫が多すぎて扱わない、って言われて、天外孤独なのよ、ふふっ」
レン「じゃあ、もう僕らを商品として扱ってくれる店はないってこと・・?」
ルカ「どうやらそうみたいね」
リン「やだ・・・やだ・・!じゃあ私たち一体どうなるの!?(涙声で)マスター、マスターっ・・・!!」
レン「リン、落ち着いて!」
リン「落ち着いてなんていられるわけないじゃない!私たちは所詮ソフトだから、人間がデータをくれなきゃ歌えないんだよ!?もう歌えないなんてボーカロイドにとっては死ぬことと一緒だよ!!」
ルカ「そうね・・・」
リン「マスター、マスターっ・・・!!」

SE 後ろから足音

老人「おやおや、泣かないで可愛い鏡音リン。それに、鏡音レンと巡音ルカも一緒なのか。ボーカロイドがいっぱいだ」
リン「あなた、誰・・・?」
老人「私は行き場をなくしたボーカロイドたちを引き取って彼らに再び歌を与える者、鍛冶北雄也。」
レン「じゃあ僕たちのことも・・?!」
老人「ああ、私が引き取ろう。さあおいで、私の館へ」
ルカ「・・・」
レン「ありがとう、鍛冶北さん!」
老人「じゃあ行くよ。私のあとをついておいで」


ライセンス

  • 非営利目的に限ります
  • この作品を改変しないで下さい
  • 作者の氏名を表示して下さい

[ボイスドラマ]大空を舞うメロディ[脚本書いてみた]

大学のサークル活動の延長として書いてみました。
万が一使用する際はご一報ください。
狂喜乱舞しますwww

閲覧数:66

投稿日:2010/09/08 15:29:17

文字数:1,701文字

カテゴリ:その他

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