雨降り　日暮れの懐かしい道
近づいてくる見覚えのある傘
久しぶりに訪れたこの街だから
出会うかもしれないと思っていたよ

あなたは私に気づかないのね
服の好みも髪も変わったから
その素敵なマリア・フランチェスコの傘は
あの頃よりずっと似合うようになったね

あれから何度も新しい
出会いがあったはずなのに
いつもあなたのことを
思い出してしまうのは何故なの？

あなたの姿　見ていたら
涙が溢れてしまいそうだよ
でもこの雨で涙　隠せるなら
このままその姿を見つめていたいのよ

今はもう　あなたに大切な人
いるってことを友達から聞いた
無関心なふりして聞き流したけど
胸の奥の痛みだけはごまかせないよ

あなたのそば　いるだけで
それでよかったはずなのに
我儘な私だった
それも愛だと思っていたから

あなたの気持ちは今なら
素直に受け止められるはずだよ
でも　もう二度とそんな日は来ないよ
違う道を歩き始めている二人だよ

あなたに気づかれないまま
すれ違ってゆくのは辛いけど
今さら話すことなんて
どうせ何もないよ

駅へと続く道をゆく
あなたと過ごした日々　思い出す
昔と少し変わった街の景色が
滲むのはきっとこの雨のせいだよ