世界でいちばんのしあわせもの。
ずっと楽しみにしていた瞬間が、私の中でどれほどの価値を見出すかは、
よほどのことがない限り、自分の思い入れで決まるものだと
私は思っている。
新しい感情との出会いが、私の中での幸せの価値観をさらにあげていく。
繰り返すような毎日の中で、悲観的になり、目をそらしたくなることはあったけれど、
そんなことを忘れさせてくれるような瞬間がくるたびに
私の暗い暗い気持ちは、一瞬で晴れる。
そして、世界でいちばんのしあわせものになる。
「生きててよかった…」
そう思いながら本を閉じる。だってこんな素晴らしい本の世界を堪能してから
1日を迎えられるなんて。
明け方近くなった空を眺め、今更眠る事もきっと出来ないから
学校に行く準備をする。
今日読んだ小説はかなり面白かった、やっと借りられた新作、図書館に行ってもいつも先約がいて
やっとの事で、今回借りれたんだ。
こんな最高な朝を迎えても、きっとあと数時間もしないうちに、
地獄のような監獄に閉じ込められることになる。
薄れていく感情が、すぎていく時間が、私を現実へと引き戻す事になる。
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