「また期待外れだったな」
ため息を一つ群青に溶かす
下ろしたスニーカーで擦れた
踝が痛む夜明けすぐの朝
眠い目を撫でる

答え合わせは野暮かな?
悪戯心に声が蓋をする
静かに波打つ水面を乱したくなって
不意打ち代わりに指先で弾く

恋が春のプールサイドに触れて
色移りした花模様の影の絵をそっと揺らす
甘く響く六弦は秒針を進めて
ほら、また今日もさよなら
困ってしまうよね

五線譜に残すことも
ましてや記憶に留まることもない
不器用な音を重ねた桜のエチュードが
優しく響いて言葉を描いていく

七分丈の袖に触れる風に指を滑らせ
書いた文字は彼方へそっと消える
秘密にした暗号で鍵掛けた本心は
ねぇ、また今日もこのまま?
困ってしまうよね…

隠し事を継接ぎして作る物語にも
捲るページに感動がきっと潜む
少し雑に伏線を仕掛けた毎日が
ほら、また過ぎていくから

恋が春のプールサイドに触れて
色移りした花模様の影の絵をそっと揺らす
耳障りな一限の鐘の音が響いて
ねぇ、もう今日はさよなら?
困ってしまうよね?

ひらひら波模様に沿って
桜が散っていく

ライセンス

  • 非営利目的に限ります
  • この作品を改変しないで下さい

春に桜のエチュードを

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投稿日:2020/12/10 02:29:12

文字数:476文字

カテゴリ:歌詞

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