『17回忌 ~first love after story~』
路上に花を手向けるのが
ずいぶん久しぶりでごめん

心の中でそう呟きながら 目を閉じ 祈った…
 
今日は報告があってきました
君が守ってくれた命は
治らぬ不治の病に 冒されていました… 
 
けれど僕は諦めません
逝き際に君と誓った約束
『君の分まで 精一杯生きてみせる』
それだけを胸に 生きてきた 
これからも それは変わらない
変えられない… 
 
久しぶりに吹いたフルートが 君の声に聞こえて 
 
君のお墓の前で 不覚にも泣きました
今日は奇しくも17回忌 君がいなくなった時間 
目に見えないほう 信じ 
生き続けてきました 
君を良く識る人はもうこの世界には僕しかいないけど 
僕もそろそろ 君のいる場所へ旅立ちそうです 
…僕の意思とは 関係ない 大いなる神の 御心がため 
 
 
僕は
君に許してもらえるほどに
強く 正しく 美しかった?
幾つも矛盾を抱えながら 貫く生き様 
空の彼方から君は どんな表情で見てますか?
いつまで此処に来れるか分からないけど
もう、怖くはありません
何故ならもうそろそろ逢えそうだから…
 
でも不安がよぎるのは何故?
この世界に残した未練? 執着?
それとも後悔? 
自分の決断が最上ではなかったにしろ
選んできた 理由には 僕は頷ける 
 
 
冷たい風が 僕を晒した 
悲しい雨が 僕を濡らした 
夢の中の君は いつも悲しい笑顔 
何故? どうしてそんな顔をするの…? 
 
花を手向けて背を向けようとした僕の視界に
道路に染みた黒色が目に入る 
あの日 僕を庇って君が流した紅色
16年の月日が 黒に変えた 
僕の声は 君に届いていますか?
君は 僕を見てくれていますか? 
最期の瞬間 君は何を思った?
僕はきっと 君を想う… 

さよならは 言わない… 
また、逢えるから… 
近いうちに、きっと…
また、逢えるから… 

ライセンス

  • 非営利目的に限ります
  • 作者の氏名を表示して下さい
  • オリジナルライセンス

『17回忌 ~first love after story~』

以前に投稿した、『first love』の後日談的な作品です。


救われて生き延びた命は、繋がれることもなく。
そして不治を得て、失われていく世界、最期に残るもの。

それは愛なのか、そして、それは救いになるのか。

悲しい純愛を感じていただけたらと思います。

閲覧数:28

投稿日:2015/03/16 19:06:29

文字数:884文字

カテゴリ:歌詞

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