第三話 『不安に潰される』
黒く曲がった音符は歪んだ音を奏でた。
フラワもミクも必死に戦っていた。
そして私も剣を握り、走り始めた。
戦い方とか剣のふり方とかよくわからないけど、
とりあえず全力で戦った。
可不はハンマーを振り回す手を止めずに、
悪魔のような笑みを浮かべていた。
「みんな!私に合わせて!心を一つにすれば、
音も力も強く、綺麗になる。」
ミクは次の呪文を唱え、周りからどんどん力が
杖に集まっていった。集まっていく音が、
リズムよく、綺麗な音だった。
それに合わせて素晴らしいステップで
フラワは槍を振り回し、見事に可不に一発
攻撃を喰らわせた。
そんな音に私は自然と合わせれた。
みんなで力を合わせる、
そんな空間がとても気に入ったのだ。
ついに大きな力が杖にたまった。
ミクは大きく深呼吸し、杖をかかげた。
「ラッビア・フォレスター!」
ミクは大きな声で言った。技の名前だそうだ。
辺りは綺麗な緑色に輝き、
花や草などの植物が集まりその大きな力は
大量の草の弾幕を出し、可不を攻撃した。
可不はチッと舌打ちをし、ゲートを作り
逃げて行った。
「おい!まて!!」
フラワは逃げた可不に怒った。
「そんな事よりも…メイコ、さっき剣を出してたよね?こんなに早い子は初めてだよ。もしかしたらこの世界の真実という大きなものに触れる事が出来るかもしれないね。」
ミクは驚きながら言った。
「みんなー!そこで何してるのー??」
その時、向こうの方に二人、いたのだ。
さっき呼びかけてきた子は
ピンクの髪のツインテールの子だ。
もう片方は青い髪で後ろに
三つ編みをしていた。
「あっ!ヒメ!ミコト!ちょっと来て!新人が来たの!自己紹介してあげてよ!」
ミクは手を大きく振りながら言った。
二人はこっちに走ってきた。
私は二人が来たらすぐに自己紹介をした。
「あっ、私はメイコです。よろしくお願いします。」
そしてすぐに
「私はヒメ!よろしくね!」
ヒメは元気に挨拶してくれた。
「ぼくはミコト。よろしく…。」
ミコトはそう言った。
「二人も剣を使ってるんだ。メイコ、教えてもらったら?まだ初めてで慣れてないよね?」
ミクは私の背中をトンと押して小声で言った。
そう言われ、私は勇気を出して、
「……ヒメ、ミコト、私に剣の扱い方を教えて下さい!」
なんとか言えた。
「同じ剣使いなんだー!!よろしく!明日から朝早くに来てもらうよ!」
ヒメはやる気がすごく出ていた。
そうしてみんなとたくさん会話をしていくうちに
辺りは暗くなり、夜が来た。
「これから住む家はもう作られているはず。ちょっと来て。」
暗い夜に照らされたミクは静かに
落ち着いた声で言った。
そうして広場を歩いて行き、
七つ住宅が並ぶ所に来た。
それぞれに、
ミク、カイト、フラワ、ユキ、ヒメ、ミコト、
と名前が刻まれた綺麗な石の札が
ポストの横に飾られていた。
そして、私の名前の刻まれた家が一つ、
あったのだ。
「ここだね。家具も揃ってるしガス・水道・電気については気にしなくていいよ。十分お金は持ってるし。何かあったら声掛けてね。」
ミクはそう言った。
「これからここに住むというのは居心地の良くないことかもしれない。それに来たばかりだから心配や不安もあるはず。だけど大丈夫だよ、すぐ慣れる。今日はゆっくり寝るといいよ。」
ミクは心なしか、苦しいそうだった。
「わかった。また明日ね。ミク。」
私もその時はすごく疲れ果てていた。
そして、家に入りお風呂に入って
すぐにベッドへ行った。
布団をかぶり、今日の出来事を思い出した。
やっぱり色々ありすぎて、
変な感情がずっと心を行き来していた。
目を閉じ、深呼吸で全てを吐き出して
暗く静かに夜は過ぎて行った。
私達、歌の神の戦闘アイドル。
前回のあらすじ
この世界のルールや何をするべきか知った冥恋。その時、同じこの世界の仲間のフラワと出会う。あれこれ会話してたら急に異変!音符カプセルを片方持っていて悪用しようとしている可不。みんな武器を出し戦うことに。何も知らないこの世界、そんな恐怖に押される冥恋、どうなる…!?
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ー登場人物ー ※先にストーリーを読もう。
・主人公 メイコ 赤先冥恋(あかさき めいこ)
・ミク
・フラワ
・可不
・ヒメ
・ミコト
これでこの神社に現れた仲間は全員ですね。
読んで頂きありがとうございます。
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sis
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