S1　降るは華の硝子
　　流るるは血の雪
　　切れた指　深淵
　　黒い華が開く


A1　愛した君を見る
　　諭(さと)した僕を知り
　　硝子造華　震え
　　相剋　誣(し)いて　討つ

A2　醜く　人の縁
　　救われず　天変
　　夢見夜に歌わん
　　笑う眼　死して　なお

B 　七色(なないろ)の灯(ひ)を映し
　　透き通る影は揺れた
　　君の心(み)に突き刺され
　　星空へ飛び降りては

S1　無情なれ　凛月(りんつき)
　　指凍る　鉄錆(てつさび)
　　脆く熔(と)けるが故(ゆえ)
　　今生(い)く　地獄の如き

S2　違(たが)わない想いを
　　交わらず　悲劇と
　　投げた華の硝子
　　目覚めた眼の黒が・・


A2　出遭った声　一つ
　　僕の姿　二つ
　　君を合わせ　三つ
　　刹那の息重ね

B 　この褪(さ)めた世界さえ
　　美しく散るのだから
　　ただこんな僕らでも
　　鮮やかに色を散らそう

S1　至上なる　暁(あかつき)
　　酔い醒ます　宵月(よいづき)
　　たとえ槍雨(やりさめ)でも
　　毀れず綻ぶ花弁

S2　すれ違い　掠(かす)める
　　耳鳴りて　泣く音
　　終日(しゅうじつ)耐えて　あゝ
　　そして硝子散る様(よう)


S1　降るは華の硝子
　　流るるは血の雨
　　切れた胸　深淵
　　赤い遺志が開く頃

S2　違(たが)わない想いは
　　交わらず過ぎても
　　握る　華の欠片
　　痕(きず)に溶かす言葉








S1
ふるははなのがらす
ながるるはちのゆき
きれたゆび　しんえん
くろいはながひらく

A1
あいしたきみをみる
さとしたぼくをしり
がらすぞうげ　ふるえ
そうこく　しいて　うつ
A2
みにくく　ひとのえん
すくわれず　てんぺん
ゆめみやにうたわん
わらうめ　しして　なお

B
なないろのひをうつし
すきとおるかげはゆれた
きみのみにつきさされ
ほしぞらへとびおりては

S1
むじょうなれ　りんつき
ゆびこおる　てつさび
もろくとけるがゆえ
いまいく　じごくのごとき
S2
たがわないおもいを
まじわらず　ひげきと
なげたはなのがらす
めざめためのくろが

A2
であったこえ　ひとつ
ぼくのすがた　ふたつ
きみをあわせ　みっつ
せつなのいきかさね

B
このさめたせかいさえ
うつくしくちるのだから
ただこんなぼくらでも
あざやかにいろをちらそう

S1
しじょうなる　あかつき
よいさます　よいづき
たとえやりさめでも
こぼれずほころぶかべん
S2
すれちがいかすめる
みみなりて　なくおと
しゅうじつたえて　ああ
そしてがらすちるよう

S1
ふるははなのがらす
ながるるはちのあめ
きれたむね　しんえん
あかいいしがひらくころ
S2
たがわないおもいは
まじわらずすぎても
にぎる　はなのかけら
きずにとかすことば