突然の出来事に目を見開き呆然と立ち尽くしていた。
自分が何をされているのかわからなかった。
でも確かな事は暖かく湿った唇の感覚は幸せだった。
そっと唇が離れ、体中が火照っていた。
「ごめん‥何やってんだろ俺‥」
「‥そんな事言わないで」
何で謝るの?私は嬉しかったんだよ。そんな言葉聞きたくなかった。
「ルカ?」
「馬鹿‥馬鹿‥」
「ルっ‥」
‥何やってんだろう。どうして私‥好きになっちゃったのかな?ミクを応援するって決めたのに‥
そう思いながら、両手が勝手にキヨの首に回り、キスをしていた。


―― ミクside ――


土日の休日も終わり、登校の日だ。
だが今日はいつも感じるダルさは無い。むしろ早く学校に行きたい。
ルカとあの話をしてからずっとキヨの事を考えていた。
だからかもしれない。興奮が冷めず眠れなかった。こんな事は初めてだ。
体が軽い。顔を洗い、制服に着替え、朝食を食べている。
そんな私を見て父も母も呆然としていた。今思えば傑作だ。
いつもより早く家を出る。だからかな。ルカはいない。1人で学校へ向かうのは久しぶりだ。
しばらく歩いていたら見慣れた姿があった。
「おはよールカ♪」
・・・!?
「あっ‥おはよう」
何?さっきの微妙な間は。そんな心の声を察したのだろう。
「ごめん。いつもミクと会うのはミクん家の玄関だからこんな所で会うとは思わなくて‥その‥」
何だろう。珍しくもじもじしてるルカを見てると可愛く思えてしまう。
でも何だろう。今感じた違和感はそれだけじゃない。
 私にはわかる。
 いつものルカじゃない。
「とりあえず学校行こ?」
「う‥うん」
やっぱおかしいけど、ここはもう少し様子を見よう。
その考えを悟られないようにいつも通り接しようと頑張っているが・・・まあ、大丈夫だろう。

学校に着いて教室に入る。すると早速疑問が1つ。
「おはよう。ルカ」
「おはよっ♪キヨ」
そんないきいきした挨拶、私にしてくれた事あったっけ?
「おはよう。ミク」
「あっ‥うん。おはよう」
そしてもう1つ。私はこの人に会いたいから朝から張り切っていたんじゃなかったっけ?
何で今はキヨよりルカの態度が気になるんだろう。もう少し様子を見よう。
「ミ~クちゃん!今日暇?」
放課後、リンに聞かれた。
 どうやらカラオケに行くらしい。
 私は暇である事を伝えるとリンはレンにそれを伝える。本当にこの姉弟は仲が良い事で。
「ルカは?」
リンは次にルカを誘った。
「ごめん。今日はちょっと・・・」
そっかと残念そうにうなだれるリンをしょうがないよとなだめるレン。 本当にこの姉弟は・・・おっと。デジャブになるところだった。
今日は日直だからいろいろ片付けていかないといけない。遅くなりそうだから2人には先に行っててもらうことになった。
ダルさ全開で終わらせて双子の元へ急行。
その途中だった。私は急な出来事に足を止める。
ルカとキヨが並んで歩いている。
2人の表情は今まで私に見せたことの無い幸せそうな顔をしていた。
しかも手まで繋いでいた。
風が顔に当たり、頬がひんやりしている事に気付いた。
あまりの衝撃に涙を流している事も気付かなかった。
どうして?
 応援してくれるって言ったよね?
嘘だったの?裏切ったの?
そんなわけない・・・ルカが裏切るわけない・・・ア・・・ハハ・・・



















私はルカが嫌いになった。

ライセンス

  • 非営利目的に限ります
  • この作品を改変しないで下さい

境界線-第七章-

やっとあげることができた・・・
十章以内ぐらいで終わらせたい。
ネタが尽きてきたので超劇的展開になることは間違いないでしょう。
すっかり忘れてたうちの双子も出せたし、満足満足

閲覧数:236

投稿日:2010/12/15 19:23:43

文字数:1,506文字

カテゴリ:小説

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