明日の五線譜【重音テト】

Giten

君の呟き聞こえたの
真夜中過ぎくらい
「時の流れが早過ぎる」
溜息まじりね
今は
花の香りと蜂の羽音を
運ぶ風がシャツの袖を揺らす
春は優しい子守唄のようで
いつかまどろんだ
そして
蝉の声長い昼短い影
夕立が過ぎれば草の匂い
ああ…
夏休みはもう無いんだね
だけどネクタイ素敵よ

私そっと見ていたの
うなされないでね
君は全部うまくいく
私の君だもん
いつか
帰り道虫たち歌いだして
赤や黄色の葉が風に踊る
秋は誰もが急ぎ足ね君も
なんだか慌て気味
そして
凍る息冷えた床夜のしじま
遠く山の頂白くなってく
んん…
疲れてるよね出来るなら
私、代わってあげたい

ピンクの花びらが空を
一杯に埋め尽くした風の日
出逢ったの憶えてる?
君が作ってくれた歌
私ずっと忘れない
そう季節が幾つ過ぎ去っていっても

君の瞳が輝くだけで
私はきっとまた歌えるのよ
未来は何も書かれてないままの
五線紙だから
きっと歌えるわ