※
肩にかかる剣に
私への忠誠誓う騎士
私の双肩には
彼の命の翼がある

１、
主を信じて狩り続けた
みすぼらしい姿の魔女ども
私の騎士は狩り続けた
彼らに罪はないと言うのに

火にかけ 吊し上げ
如何なる拷問も
意味を為さず　増えていく
民の屍だけが築かれる

※
肩にかかる剣に
私への忠誠誓う騎士
私の双肩には
彼の命の翼がある


２、
いつしか民は消えていた
城に納められた貢ぎ物
今や底をついてしまった
民のいない国の女王

双肩の命の翼が
痩せて衰え消えていく
それでも彼は傅いた

※
滅びゆく国の女王
誰もいなくなっていく
ただ一人彼だけが
私のそばにいてくれた

肩にかかる剣に
私への忠誠誓う騎士
私の双肩には
彼の命の翼がある

３、
ある日教えを統べる軍勢が
民の消えた国にやって来た
彼らは私にこう告げた
「貴女を魔女だ
火刑に処す」

騎士は一人で守った
幾人もの魔女を屠った彼が
今や魔女を守る盾

※
鮮血に沈む彼の騎士
大事な愛しい私の騎士
動かない彼を抱き締めて
私は華と炎に消えゆく

誰もいない彼の国に
今日も闇に月が映える
清らか城に寄り添いて
永遠に時を止めたまま